Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

球場で観戦できる日常をみんな待ち望んでいた 劇的サヨナラのナゴヤドームルポ

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
中日スポーツ

 球場に歓声が戻ってきた。新型コロナウイルス感染防止のため無観客で公式戦を続けていたプロ野球は10日、上限5000人の条件付きながら有観客での開催を開始した。中日は4958人が来場したナゴヤドームで広島と対戦。同点の延長10回にダヤン・ビシエド内野手(31)が左中間スタンドへ本塁打をたたき込み、3―2でサヨナラ勝ちした。1点を追う9回に追いつく粘りを発揮。まぎれもなく、ファンの後押しを受けた勝利だった。  こんな試合を見せられたら興奮を抑えられるわけがない。最初は拍手で我慢していたファンからの声援が次第に大きくなる。声出しはダメ。分かっていても、自然と体が本能が反応してしまうのだろう。観客動員初日の7月10日。この日をずっと待ちわびていたのだから―。  午後1時。記者がナゴヤドームに到着すると、すでに青のユニホームやグッズを身にまとった人がぽつりぽつりと見える。3番ゲートの先頭に並んでいたのは浜松市から来た自営業の平野剛さん(52)。ファン歴40年以上の竜党は「待ち切れなくて」と仕事を午前中で切り上げ駆けつけた。  午後3時の8番ゲート。人の数がどんどん増えてくる。十分に距離を取った人の列が80メートルほど続く。その横で係員が「マスクを着用していなければ入場いただけません」とアナウンスしていた。  球場のファンは左右に2~3席を空けて着席。すると空いた両幅をファンが工夫する。名古屋市昭和区から足を運んだ小学6年の北川太一君(11)は父・啓介さん(46)と手作りの横断幕を4枚持参。「お客さんが入って選手も気持ちが入ると思う」と試合前から気持ちは高ぶる。  試合開始。声出し禁止を守っていたファンも、試合が進むにつれて気付けば好プレーやチャンスに「ワー」「キャー」「打てー」との声が球場にこだまするようになる。  10回裏。ビシエドのサヨナラ本塁打でボルテージはMAXに。気付けば大歓声がドーム全体を包んでいた。夫婦で訪れていた名古屋市中村区の会社員、村上裕貴さん(33)は「感動しました。結果はもちろんですけど、待ち望んでいたこの日を迎えられて、みんなで野球が見られる喜びを分かち合えたので」と話し、帰路についた。  まだ制限は多い。だが球場で野球が見られる日常が戻った事実がうれしい。劇的勝利に顔をほころばせる中日ファン。「悔しいけどうれし~!!」と叫びながらドームを後にする広島ファン。喜怒哀楽が入り交じる出場ゲート。やっぱりプロ野球は最高だ。

【関連記事】