【算数オリンピック入賞者輩出の塾長が語る】子どもを伸ばす教師や親に共通している「子どもとの接し方」
10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。 ● 「この子はすごい」と思って接する はじめに、声かけをする上での大前提をお伝えします。 それは、自分の子どもに対して「この子はすごい!」と、尊敬の念を持つこと。 なぜなら、子どもは自分を「すごい」と思ってくれる人の言うことを聞くからです。逆に言うと、自分を見下している人の言うことは聞きません。 例えば、子どもを指導するアルバイト学生でも、どんな問題でもスラスラ解ける頭のいい学生が指導するよりも、「キミは本当にすごいね。僕はこんな早く解けないよ」と、子どもを尊敬する学生が指導するほうが、子どもは伸びます。 伸びる子の家は、決して上司と部下のような関係性ではありません。上下関係ではなく、一緒に手をつないでゴールを目指すような、横並びの関係にあるのです。 ● コツは小学生のときの自分に戻って、子どもと向き合うこと 子どもを「すごい」と思うためのポイントは、自分の年齢を下げて、子どもと同じ目線に立つことです。 例えばお子さんが小1の場合。自分が小1のときにその問題を解けたかどうか考えてみるのです。すると、「ろくに椅子に座っていられなかった」「解けたかもしれないけど、こんなに集中力はなかった」など、思い出される点があると思います。 大切なのは、「今現在、大人になった自分」が子どもを評価するのではなく、「昔、子どもだった自分」にタイムマシンに乗って戻ったつもりで子どもに接することです。そうすればおのずと、「この子はすごいな」という気持ちが湧いてきます。 ただし、親が超優秀な場合は、同じ目線で比べても、やっぱりミスが目立つ場合もあります。「自分が子どもの頃はもっと努力したし、点数もよかった」と。たしかにそうかもしれませんが、子どもと張り合うのはやめましょう。ここは大人であるあなたが、大人になってください。親の使命は、子どもの良いところに気付き、褒めて、伸ばしてあげることです。 *本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。
田邉 亨