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100キロ漂流の看板帰還、約20年前宿泊の夫婦「運命的」 佐賀県白石町から大分県天瀬町のホテルに

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佐賀新聞

 7月上旬の記録的な豪雨で流出した大分県日田市天瀬町のホテル「成天閣」の看板が、杵島郡白石町の有明海沿岸で見つかった。回収したノリ養殖を営む片渕保幸さん(57)=同町=は約20年前、夫婦でこのホテルに宿泊しており「運命的なものを感じた」。約100キロ漂流して有明海に流れ着いた看板は、片渕さん夫婦の手でホテルに返された。  「こんなのあったぞ」。19日午前、片渕さんも所属する県有明海漁協福富町支所のメンバーが、流木の清掃中に見つけた。このときの様子や旅館名を妻の美紀子さん(57)に報告すると、以前、夫婦で旅行した際に宿泊したことを思い出した。赤いつり橋が印象的で、夜に2人でつり橋を渡った記憶がよみがえった。同日、会員制交流サイト(SNS)を通じてホテルに連絡した。  21日、車に積み込んで片渕さん夫婦自らホテルに向かった。ただ、豪雨の影響で、付近は通行止めになっていた道路も多かった。それでも片渕さんは「看板はホテルの顔。喜んでもらいたい」と、予定より遅れながらも送り届けた。  ホテルによると、看板は縦約50センチ、横約160センチで、約15年前に日田杉を使って従業員らが手作りしていた。玖珠川の氾濫により7~8日の間に流され、玖珠川や筑後川を通って有明海に流れ着いたという。大きな傷はなく、端がわずかに欠けていた程度だった。  ホテルは1階と2階部分が浸水し、赤いつり橋も壊れた。それでも、約2週間ぶりに戻ってきた看板に古賀信寿社長(43)は「泊まってもらっていたからこそ、看板の存在に気付けたのだと思う。人とのつながりに、奇跡的なものを感じる」と感謝する。片渕さんは「元の活気ある温泉街に戻ったら、また訪れたい」と復興を心待ちにしている。

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