<センバツ・平成の名場面>初陣の快進撃止め初優勝 第62回決勝 近大付vs新田 センバツ 平成の名場面
1990(平成2)年の第62回大会で話題をさらったのは、初出場の新田(愛媛)だった。69(昭和44)年夏の甲子園で松山商(同)の監督として延長十八回引き分け再試合の末に三沢(青森)を降して優勝した一色俊作監督(故人)が率いていた。 【「若いっていいな 甲子園おめでとう」】 出場32校 喜びの表情を見る 2回戦で宮下典明内野手の九回逆転サヨナラ本塁打で日大藤沢(神奈川)を破ると、準決勝の北陽(大阪)戦は延長十七回に池田幸徳内野手がまたもサヨナラ本塁打を放ち、熱戦に終止符を打った。チームで1大会に2本のサヨナラ本塁打を記録したのは大会史上初の快挙だった。 決勝で新田の快進撃を止めたのは、3年連続出場の近大付(大阪)。準決勝の東海大甲府(山梨)戦で九回に逆転されながら、その裏に追いついて延長戦に持ち込み、十三回に決勝点をもぎ取ってこちらも同じくサヨナラで勝ち上がってきた。 決勝で近大付は二回にエース・後藤章浩投手の左翼ラッキーゾーンに飛び込む今大会チーム初本塁打などで2点を先取。同点に追いつかれた直後の四回には脇門清志内野手の中前への打球が相手外野手のダイビングキャッチをかいくぐって抜けるランニング本塁打となって再び勝ち越した。 後藤投手は投げてもシュートを軸に、終盤はカーブ、スライダーを効果的に交え、10安打を浴びながら2失点で踏ん張った。 近大付は春夏通じて初優勝。大阪勢としては7回目の春の王者となった。 ▽決勝 近大付 020100020◆5 002000000◆2 新 田