【聖地はドイツにあった】マツダ・ミュージアム 世界最大級の展示内容 100年の歴史に浸る
ウォルター・フレイのコレクション
ウォルター・フレイのコレクションは、今から40年前の1980年に購入したコスモから始まった。アウグスブルクに最初のマツダディーラーをオープンした3年後のことだ。 長年にわたり、世界中から購入したもので少しずつコレクションを増やしてきたが、きちんと展示できるようになったのは2017年のことだった。フレイとその息子、ヨアヒムとマルクスは、1897年に建てられた路面電車の車両基地を購入し、全面的に改装してマツダに関するあらゆるものを展示する場所とした。 現在は約50台のクルマが展示されているが、150台近くのコレクションの中から定期的に展示車両を変更しており、その数は今後も増え続けるだろう。しかし、恒久的に展示されているのは、ウォルターの情熱の始まりとなったコスモである。 ここからはミュージアムに保管・展示されている車両を紹介する。 ■1960年 マツダR360 1960年に発売されたマツダ初の乗用車R360は、瞬く間に軽自動車市場の65%、日本国内の新車販売台数の15%を占めた。356ccの4ストロークエンジンを搭載し、4輪独立懸架式サスペンションを採用。6年間生産された。 ■1969年 マツダ・ルーチェR130 ジョルジェット・ジウジアーロがベルトーネ時代にスタイリングを担当したこのゴージャスなピラーレスクーペは、マツダで唯一の前輪駆動のロータリーであった。128psのツインローターエンジンと4速MTを搭載し、3年間で976台のみが生産された。 ■1974年 マツダREPU 働き者のピックアップトラックに高回転のロータリーエンジンはあまり似合わないが、それでもマツダが搭載を止めることはなかった。米国とカナダでのみ販売されたこのクルマはREPU(ロータリーエンジン・ピックアップ)と呼ばれ、4キャブレーターのツインローターで最高7000rpmの回転数を誇る。1974年から1977年にかけて約1万5000台が生産され、現在では米国のコレクターの間で珍重されている。