株価暴落時の狼狽売りは禁物!損切りと狼狽売りの違いに注意
株価が暴落した時には、株価が更に下がるメカニズムが働きます。そして初心者が狼狽売りをしたタイミングで株価が戻る事も多いので、狼狽売りは禁物です(経済評論家 塚崎公義)。
借金のある投資家が投げ売りを迫られる
株価が暴落すると、借金で株を買っていた投資家が銀行から返済を迫られます。銀行としては投資家が破産して融資が焦げ付く事を心配するので、当然のことなのですが、投資家は悔しいでしょうね。 上がると思って買った株が下がったのですから、「絶好の買いのチャンスだ。更に借金をして買い増して大儲けを狙おう」と思っているのに、銀行に返済するために保有株を売らなければならないのですから。 「信用買い」をしている個人投資家が「追加証拠金」を迫られて、泣く泣く持ち株を売却するのも、同じことですね。 上がると思う人が買い、下がると思う人が売るのが通常の株式市場なのですが、株価が暴落すると「売りたくない売り」が出てくるため、株価の暴落が更なる暴落を招くメカニズムが働くわけです。
損切りのルールを定めている機関投資家が多い
売りたくない売りは、他にもあります。機関投資家の多くが担当者に「損切り」のルールを課しているのです。これは、一定以上の損が出た担当者は持っている株をすべて売り、休暇をとって頭を冷やせ、というものです。 損失が無限に広がる事を避けるという目的の他に、損が膨らんだ担当者は頭に血が昇って冷静な判断が出来ないから、という事もあるようですが、いずれにしても株を売らされた担当者は悔しいでしょうね。
初心者の狼狽売りが株価を更に押し下げる
株価が暴落すると、狼狽売りをする初心者が出て来ます。この世の終わりが来るような気がして売ってしまう人もいるでしょうし、「これ以上株価が下がったら破産だ」と感じて売る人もいるでしょう。 中には「株価が下がったので、買い時が来たと思って買った。その後も更に下がり続けたので、怖くなって投げ売りした」という初心者もいるかも知れません。 投資経験が長くなるほど暴落を経験して「耐性」が付くのですが、初心者は初めて遭遇した怪物に腰を抜かすように冷静さを失ってしまう場合も多いのでしょうね。 投資初心者には「過去数十年の日経平均やNYダウのグラフをじっくり眺める」ことをお薦めしておきます。投資を始める前と、狼狽売りをしようと考えている時に。