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学校だけじゃない!緊急事態宣言延長で軽視される「保育」の現場に響く苦悩の声

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週刊女性PRIME

 ほかにも「幼稚園の子ども2人を連れて午前はお散歩、午後は家でぬり絵や折り紙をやっていますが、そろそろ飽きてきてるようで、最近は奇声をあげることがあって……。私自身、この春から働くはずだったのがダメになってしまい、自分はただ空しく消費してるだけの人間なのでは? と毎日たくさん出るゴミを見るたびにへこんでいます」とため息交じりに語る30代の女性もいる。彼女の夫は自営業で時間を縮小して店を営んでいる。休みの日には公園に一緒に行くなどもあるが、育児も家事も基本的に彼女が担う。

現役保育士のリアルな声

 どうも夫たちの無理解や協力態勢のなさにも問題を感じるが、そろそろ、お母さんたちはギブアップだ。保育園や幼稚園を再開してくれないか? と望んでいる。厚労省はゴールデンウィーク中の5月1日に、各自治体に向けて「保護者に保育の必要性を改めて調査」するように文書を送ったそうだが、保育園の現場ではまだ「何も聞いていない」そうだ。 「でも、うちの園ではとりあえず緊急事態宣言が当初解除される予定だった7日に集まって今後について話し合います(注:お話を伺ったのは3日)。保護者さんたちの出勤体制もそこで変わるだろうから、8日以降からまたお子さんを預けたいという人も増えてくるのでは? と予想しています。ずっと休み続けられる人は少ないんじゃないかと。補償もほとんどないわけですし。でも、じゃ、みんなが登園してきたら、どういう対応になるのかはまだ決められていません」  と教えてくれたのは、都内の小規模保育園で働く30代の保育士の女性。緊急事態宣言後は2~3名程度の子どもたちが登園していて、職員は交代で勤務にあたってきたそうだ。ふと心配になり、「それでお給料は?」と尋ねると、「うちは100%保証されていて大丈夫です。ただ、そうじゃないところもあるようなので、そうした保育士への給与保障もきちんとしてほしいです」という。これは大事なことだ。  しかし、彼女の話を聞くと、そうそう簡単に「開園をしてほしい!」とも言えないかもしれないと感じた。 「うちは0歳児からの乳児なので抱っこする以外、何もできないんで、保育が難しいんです。万が一、自分がその子たちにウイルスをうつしてしまったら? 年齢が低くなればなるほど大変だと思います。またほかの保育士さんや、お母さんたちにうつしてしまったら? と考えたら、いきなり全面的に開園するのは難しいように感じています。元々おもちゃを消毒するためなどの消毒薬は十分用意してあったので、そうした備品はあるんですが……」  なるほど。年齢が下がるほどに保育自体に困難が伴う。一体どうしたらいいだろう? 「段階的に短時間や、曜日別に子どもたちを分散登園で少人数で預かるとか? でも、それも誰がいつ登園するのか? どういう基準で選んでいくのか? それぞれのご家庭に都合もありますし、話し合いに時間がかかります」と、保育現場ではなかなか話を決められない。 「だから、本当はもっと区や国といったところで考えてほしいというのはあります。何も考えてくれないで現場に丸投げ。園長も決められないで困っていると思います」と保育士さん。そのとおりだ。  こうした一方で、東京・練馬区では現在も区全体で40%以上、私立では50%以上の子どもたちが保育園に登園している。練馬区は区として閉園の方針ではない。現在も開園している私立の認可保育園を運営する社会福祉法人で役員を務める男性に伺った。 「保育園は単純に閉園すべきとは思いません。保護者の就労状況などからみて、個別にいろいろな事情がありますから。もちろん、感染リスクがあるのは事実ですが、その対策をしっかり打ちながら開園することによって、そうした個々の方の会社の事情や、職種などによる事情に対応していくことはできると思っています。  また子どもの虐待などのリスクがある家庭も、現実としてあります。当園では感染を防ぐために職員はもちろん、子どもたちも受付時に体温の測定をしてマスクの着用を義務付けています」  男性が役員を務める保育園では今日も当たり前に子どもたちが通っている。もちろん、自粛を選択している家庭もあり、「そうした保護者にはYouTubeでメッセージ動画を送るようにしています。家でできる遊びを見せたり、絵本の紹介、赤ちゃん体操のやり方などを定期的に送り、家でも子どもと保護者さんたちが健やかに過ごせ、また園とのつながりを感じてもらえるようにしている」という。前述した、困っている保護者さんたちのお子さんたちが通う保育園では、そういう“園とのつながり”を見せてくれてないのも問題かもしれない。

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