安達祐実&眞島秀和「晴信という役も、眞島さんご自身も、とても愛せるキャラクターで…」<にじいろカルテ>
高畑充希演じる主人公の内科医・紅野真空が、山奥の小さな村にある診療所で外科医の浅黄朔(井浦新)と看護師の蒼山太陽(北村匠海)とシェアハウスをしながら、個性豊かな村人たちと触れ合い、成長する姿を描くドラマ「にじいろカルテ」(テレビ朝日系)。 真空たちが暮らす虹ノ村唯一の食堂で、村人たちの憩いの場となっているのが「にじいろ商店」。看板娘の橙田雪乃を安達祐実が、雪乃の夫で「にじいろ商店」の店主・晴信を眞島秀和が演じている。雪乃が患う認知症に向き合いながらも、愛情たっぷりの夫婦役を演じる2人に、それぞれの役どころやお互いに対する印象を教えていただきました。 【写真を見る】「眞島さんと写真撮ってもらえるのうれしい」ととてもかわいらしい安達さん ■雪乃として晴信という役も、眞島さんご自身のことも、愛しました!(安達) ――安達さんと眞島さんは過去にも共演がありますが、今作では夫婦役ということで、どのような心境で撮影に臨みましたか? 眞島:(夫婦役と聞いて)撮影が始まるのを楽しみにしていました。実際に撮影が始まると、やっぱりすごく楽しいし、安心感もあって。実は、安達さんも僕も今日がクランクアップだったんですけど、今振り返っても、本当に楽しい撮影だったなぁと思います。 安達:私も楽しみにしていました。眞島さんだ!と思って、すごくうれしくて。撮影に入ってからも、何の段差もなくスーッと入っていける感じで。眞島さんがおっしゃった安心感は私もありました。それから、晴信という役も、眞島さんご自身も、とても愛せるキャラクターで…。 眞島:ありがとうございます(笑)。 安達:なので、愛しました。(眞島に向かって)愛しましたよ!(笑) 眞島:(照れた様子で笑う) ――安達さんが演じる雪乃は認知症を煩っていて、感情の表現も普段の天真爛漫な様子から、記憶を失ったときの不安な様子まで、幅広い演技を求められたと思います。そんな雪乃をどう演じようと思いましたか? 安達:このドラマの登場人物は、みんな振り幅が大きくて、1人の人間の中にもいろいろな面があるっていうのが描かれていると思うんですけど、中でも雪乃に関しては感情の落差が激しくて、その加減が難しかったです。それに、撮影では監督が必ずと言っていいほど、私が想定していたこととは違うことを要求するような感じで(笑)。それがすごく新鮮で面白かったですし、私が悩んだり、ちょっと周りの雰囲気に飲まれちゃうときは必ず軌道修正してくださったので、監督がおっしゃる通りに演じました(笑)。 眞島:安達さんはこのドラマの中でもかなり大変な役だったと思います。台本を読んでいても、芝居で感情を表現するところが多い印象でしたし。 安達:確かに、雪乃は精神的に揺れる場面がすごく多かったです。でも、そこでやっぱり監督の言葉と演出で導いてもらえたし、現場の雰囲気も集中しやすい環境だったので。安心して演じることができました。 ■晴信は本当に穏やかに雪乃を愛している人だと思います(眞島) ――そんな雪乃のことが大好きで、記憶を失うたびにプロポーズを繰り返す夫・晴信を演じた眞島さん。愛情をストレートに表現する晴信を演じられた感想はいかがですか? 眞島:晴信はとても前向きな人で、とにかく雪乃に楽しい思いをしてもらいたいっていう優しさを持った男ですよね。端から見たら困難な状況かもしれませんが、そこで“大変なことを抱えています”というような雰囲気を出さない演出だったので、晴信を演じながら、本当に穏やかに雪乃を愛している人なんだなと思いました。とはいえ、監督は度々こちらが想像している以上の演出をつけてくださるので(笑)。僕は(監督の)深川(栄洋)さんとは3回目だったんですけど…。 安達:そうだったんですね。 眞島:そうなの。だから、そうそう、深川さんの演出ってこうだったなって。やっぱり、すごく楽しいから。 安達:そう、楽しいんですよね。 眞島:深川さんの演出によって登場人物のキャラクターが膨らむんですよ。多分、参加する役者は、みんな深川さんのことが好きになると思う。 安達:私も大好きでした。 眞島:なので、監督の演出にただただ身を委ねながら、楽しく過ごしていたな、と。楽しかったという一言に尽きますね。あとは(晴信が)食堂を営んでいることもあって、結構みんなを俯瞰で見ているような立ち位置でもあったので、食堂に集まる村の人たちを見ながらこういうドラマっていいなぁっていうのと、普通に役者目線で、すごい人たちが揃ってるなと密かに思っていました(笑)。 ■ 3話にはある種の衝撃と、心に刺さるメッセージがあると思います(安達) ――撮影の中で特に印象に残っているシーンはありますか? 安達:2人のシーンで言うと、雪乃の場合、さまざまなことを全て忘れてしまうから、晴信さんを愛していたことも忘れてしまうんですよね。自分の中の愛の蓄積がなくなっちゃうから、毎回ゼロからのスタートになるんですけど。それでも回を重ねていくごとに、もし記憶をなくしても、この人はまた自分を愛してくれる、変わらずに好きでいてくれるっていう安心感が雪乃の中で少しずつ積み上がっていく感じがあって…。ドラマの中では、雪乃が記憶をなくしてしまうこともあって、夫婦だけど触ったりする場面は全然なかったりするんです。でも、これはちょっと先の話になっちゃうんですけど、ドラマの後半で少し雪乃が晴信に触れるシーンがあって。そのときに、やっと2人が愛情を交わせたような喜びを感じて、私の中では印象に残っています。 眞島:僕は逆に晴信が1人でいるシーンが印象に残っています。普段、雪乃の前では本当に穏やかに振る舞っているから、余計に切なさが沁みるというか。それから、2話の最後にあった、いきなり雪乃がいなくなったシーン。 安達:あ!(笑) 眞島:実際はお店の外にいるだけで、台本でも、あれ? 雪乃?って感じでつぶやくような口調なのかなと思ったら、監督の演出で絶叫することになったっていう(笑)。 安達:そうそう! 喉がカラカラになるくらい絶叫して(笑)。すごかったですよね。 眞島:ああいうのが深川さんの世界観の面白いところで。 安達:そしたら、監督が、雪乃さんも叫びましょうっておっしゃって(笑)。もう、到底叫ぶなんてイメージできないシーンなんですけど。そういう奇想天外な演出が面白かったし、演じるやりがいみたいなものも感じました。 ――今夜放送される3話の見どころを教えてください。 安達:3話では、どこか違和感があるくらいだった雪乃が、初めて記憶をなくす人であることが分かるストーリーになっています。私自身、台本を読みながら、ある種の衝撃を受けたというか。雪乃が認知症であることは分かっていたけど、本当に記憶をなくしてしまうこと、記憶をなくした雪乃がどうなるのかを、私も初めて体験しながら演じていました。でも、それだけではなくて、そんな雪乃に対して、人間はいろいろなことを受け入れて、それで生きていくんだよねってことを周りの人たちが伝えてくれる話でもあって。そういうメッセージがすごく心に刺さる回になっていると思います。 ――眞島さんはいかがですか? 眞島:安達さんが今、全部言ってくださったので、何も付け足すことがないです(笑)。 安達:あはは。 眞島:あとはもう、僕らもどういう形でドラマが完成しているのか想像がつかないところがたくさんあるので。僕もオンエアを楽しみにしています。