「変わったな」ソフトバンクの偉大な元エースの言葉で火が付いた育成の21歳 あふれた涙に誓った来季の支配下入り
ソフトバンクの育成3年目、藤野恵音(けいお)内野手(21)が斉藤和巳3軍監督の言葉を胸に、支配下入りに挑む。 ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 戸畑高(福岡)から2022年に育成ドラフト1位で入団。走攻守そろった内野手として期待されており、今季はファーム非公式戦に107試合出場し、打率2割9分8厘、4本塁打だったが、プロ3年目で初めてウエスタン・リーグの出場はなかった。 9月下旬、ランニングを終えると、斉藤4軍監督(当時)に声をかけられた。 「今年、おまえを見てきてランニングやアップでキビキビと動いてるのを見たことない」 はっとした。足に自信がある藤野は、ランニングの設定タイムには間に合ってはいたが、その言葉が身に染みた。斉藤4軍監督は、さらに続けた。 「おまえは支配下に本当になりたいのか。練習から取り組む姿が変わらないなら、2軍に呼ばれない」 40分ほどの言葉を聞きながら、藤野は途中から「はい」としか返事ができなかった。「悔しくて。そうやなとも思って」。こらえていた涙があふれ出した。 それ以来、アップやランニングなど全てにおいて、意識を高く練習に励んだ。秋季キャンプ中、斉藤3軍監督から「変わったな」という言葉をもらった。藤野は「ずっとこの姿勢で継続して取り組んでいこうと思った」と振り返る。 育成で入団した選手は3年が一つの区切りだが、来季で4年目を迎える。この日は、福岡県筑後市のタマスタ筑後で練習に励んだ。「(球団に)契約してもらったので首の皮一枚、つながった。(来季は)4年目なので、支配下が絶対条件くらいの気持ちでやる」。来年1月からは牧原大成に弟子入りして自主トレに励む。心身ともにレベルアップして、勝負の春を迎えるつもりだ。 (浜口妙華) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社