東映・大杉勝男の家に居直り強盗?/週べ回顧1972年編
一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。
新聞記者を騙って来訪
今回は『1972年3月20日号』。定価は100円。 前年の1971年は2年連続本塁打王とパを代表する打者となっていた東映の大杉勝男だが、春季キャンプ中、事件に巻き込まれた。 自身はキャンプ地の伊東に行き、留守にしていた自宅での出来事である。 夫人だけがいた自宅に25歳くらいの男が訪れ、 「内外スポーツに入社した新米記者ですが、大杉夫人を取材したい」 と言ってきた。 夫人は、 「すでに伊東の主人も了解済みだというし、丸顔でふっくらし、どう見ても悪人には見えなかったので家に上げ、取材を受けることにしました」 という。 しかし、これが偽記者。当初は普通に取材をしていたらしいが、突如、豹変し、 「カネを出せ、騒ぐと殺すぞ」となった。 つかみかかった犯人の手にかみついて一時は逃げた夫人だが、結局、引き戻され、家の柱に縛りつけられた。被害は現金で11万円ほどだったという。 夫人は「あんな人が強盗に変わってしまうなんて」と驚いていた。 大杉はすぐさま伊東から戻り、 「犯人が見つかったら、バットで頭をぶったたいてやりたいくらいだ」 と激怒していた。 当時、有名人の家は大概みんな知っていた。実際、犯罪の被害に遭うことも珍しくなく、張本勲(東映)家にはシェパードとガードマン、長嶋茂雄(巨人)家には防犯ベルと超音波の探知機(初出修正)をつけていたらしい。 もしかして日本警備保障会社、現セコムかな。 では、また水曜日に。 <次回に続く> 写真=BBM
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