iPhone 12を暗闇で三脚に載せると、特別なモードに入り、すごい写真が撮れる
通常、iPhone 12のナイトモードは3秒。手動でナイトモードを延長しても10秒までしか使えない。 しかし、三脚にしっかり固定すると、iPhone自体のジャイロセンサーが『自分は強固に固定されている』と感知し、ナイトモードを30秒まで延長できるようになる。
ナイトモード30秒が捉える驚愕の光景
そこで、街灯のない、本当に肉眼でも何も見えないぐらい真っ暗な講演に三脚とiPhone 12 Pro Maxを持っていって、『ナイトモード30秒』を試してみたら撮れたのが冒頭の写真だ。 いや、これは本当に驚く。現場にいた人間からすると信じられない画像なのだ。 信じてもらえないかもしれないが、本当に街灯のない真っ暗な公園なのだ。
一眼レフでも対抗するのは困難
その証拠に、同じく三脚にキヤノンの一眼レフ、EOS 6D Mark IIを載せて撮ってみた。 ISO100の F4で、30秒の長時間露光をしても、こんなに暗い場所なのだ。
もちろん、感度を上げていけば明るくは撮れるが……。 ISO感度を4000にしてみた。たしかに明るくはなるが、今度は遠方の街明かりを長時間拾ってしまい、空が白飛びしてしまう。 そして撮影者の責任でもあるが、AFが働かないので、MFのあてずっぽうでピントを合わせるしかなく、見事にハズしてしまっている(この点においては低照度でもAFが働く最新のEOS R6を使えばもう少しマシな結果が得られるかもしれない……筆者はまだ買えていないが)。 実際には一眼レフの方が写真としては正しい。センサーに入ってくる光のバランスはこうなのだ。 もちろん、一眼レフの写真は私の技量の問題もあるし、RAWで撮ってちゃんと調整すれば、もっとキレイな写真になるはずだ。しかし、iPhoneならナイトモードで三脚に固定するだけで、この写真が撮れる。このイージーさに驚くのだ。 しかし、iPhoneは30秒間に撮ったたくさんの写真を組み合わせて、空は空、芝生は芝生で適切な明るさになるように合成して画像を組み立てているのだ。これがコンピューテーショナル・フォトグラフィの凄まじさ。 もはや、光学的に正しくても、入ってきた情報から総合的に考えて画像を合成しているiPhoneのような絵は得られないのだ。