イールドカーブコントロール政策の問題点が浮き彫りに
各国は急激なインフレに対応する政策を打ち出しています。脱デフレを目指した日本銀行の金融緩和政策は今後どうなるのでしょうか(写真:taa/PIXTA)
通常、中央銀行は短期金利を操作対象にして金融政策運営を行う。長期金利については市場動向に任せるのが普通だ。しかし、日本銀行は2016年9月から短期金利だけでなく長期金利も操作対象とすることにした。 現在、短期金利(日銀当座預金金利)の誘導目標はマイナス0.1%、長期金利(10年国債利回り)の誘導目標は「ゼロ%程度」を中心に±0.25%のレンジとなっている。 インフレ懸念とそれに伴う利上げ観測の高まりによってアメリカとヨーロッパで長期金利は大きく上昇している。これに対して、日本の長期金利は狭いレンジでしか動けないため、ほとんど動いていない(下図)。 そうしたなか、このイールドカーブコントロール(以下、YCC)政策の問題点が浮き彫りになってきた。
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新見 未来