時計とファッションのいい関係 ── チューダー ロイヤル
ビッグ・トレンドが見当たらないといわれつつも、ここのところ復刻モデルや周年モデルが多く登場していることは、すでにひとつのトレンドといっていい。そこで、2020年の新作時計から、温故知新を感じる10本を厳選した。ヴィンテージ風味のきいた1本がいまの気分であることは、旬なファッションとの好相性が物語っている。 【写真を見る】チューダー ロイヤル
TUDOR チューダー ロイヤル
ロレックスの創業者ハンス・ウイルスドルフがロレックスの技術や信頼性をもって高品質の時計を作りたいという願いから1926年に誕生したのがチューダーという独立ブランド。最近は自社製の高性能ムーブメントを軸に展開する本格ダイバーズウォッチの「ブラックベイ」が人気だが、2020年に新たに登場した「チューダー ロイヤル」は、時計好きにも魅力的な実に素晴らしいコレクションだ。 チューダーが優れた品質を表すために1950年代にはじめて使用した「ロイヤル」をその名に用いる新作の特色は、ポリッシュ仕上げの四角と刻み模様を交互に配したノッチドベゼルや、ケース一体型の5列リンクブレスレットである。仕上げの妙でステンレススティール特有の素材感を生かしたレトロモダンのスタイリングは1970年代に通じ、ドレッシーにもラグジュアリースポーツにも見える凝ったテイストを醸す。独特のヴィンテージ感はサンレイ仕上げのシャイニーなカラーダイアルにも見て取れる。極めつけは12時位置にフルスペルで現れる曜日だ。3時位置の日付とペアになったチューダー伝統の“デイトデイ“表示機能はロレックスの高級モデルにも相通じ、ラグジュアリー感を高める。それでいて驚きのヴァリュー・プライス! ワードローブに加える最有力候補になりうる。(菅原 茂) 「チューダー ロイヤル」は3サイズのケースと、日本ではブルー、ブラック、シルバーのカラーダイアルを展開。写真の41mmケースのみ日付と曜日のデイトデイ表示が備わる。SSケース&ブレスレット、自動巻き、41mm径。22万8000円(予価/年内発売予定)〈TUDOR/日本ロレックス/チューダー TEL: 03-3216-5671〉 Photos 田邊 剛 Go Tanabe(model)、星 武志 Takeshi Hoshi(still life)@estrellas Styling 池田尚輝 Naoki Ikeda Hair&Make-up 宮本佳和 Yoshikazu Miyamoto
文・菅原 茂