小池知事・都医師会へ「なぜ医療崩壊が起きるのか?」東京都長期ビジョンを読み解く!その95
【まとめ】
・新規入院患者の病床確保には、急性期病院だけでなく一般医療も使う必要があるとの医師会発言。 ・コロナ患者受入で従来の患者を失うことは一般病院の経営圧迫に繋がり、受入進まず。 ・都は患者の受け入れる医療機関に金銭支援を行うことを発表も、受入病床確保に向けた具体根拠示されず。
「真剣勝負の3週間」(東京都医師会尾崎会長、緊急記者会見:令和2年12月22日での発言) 尾崎会長の「社会はつながっている」というメッセージは素晴らしいし、「ただ医療緊急事態宣言を出しただけではだめ。危機感を都民・国民に共有していただきたい」という点など心から同意した。新型コロナウイルスで医療現場は本当に本当に大変だろう。病院で過酷な労働条件を強いられ、頑張っていらっしゃる医療従事者の方には心から敬意を示したい。
特に、猪口副会長の説明は非常にわかりやすかった。 要点は ・医療提供体制が4段階のうち最も深刻な「体制が逼迫(ひっぱく)している(レベル4)」に引き上げられた。 ・(猪口さんは)病床数は3000床用意されているはずだが、あと1000残っていると質問を受けた。 ・しかし、3000床がほぼ確実に足りなくなることがわかった。 ・都内で110病院が急性期病院(だいたい200床以上の有力な病院)。患者を診るのは非常に労力がかかる。1病棟せいぜい3人くらいでみるのが精いっぱい。それくらいの回転で見るしかない。 ・110の病院があっても、実際受け付けられるのは300くらい。理論上も実際もそう。 ・300くらいのところに新規陽性者のなかで入院してもらう人たちを入院してもらうように調整するしかない。なかなか切迫している。 ・残りの病床が足りないうえに、かなりの新規陽性者が見つかっている。4割の方に入院してもらわなければならない。操作をしながらなんとか入院を保っている。それも新規陽性者が増えてくると厳しい。 ・今、ベットを4000床に増やすよう、各病院に要請している。 ・4000床確保においては、一般医療を使ってやっていかないといけなくなる。 というのが「医療崩壊」の危惧のようだ。