「内視鏡検査」を楽に受けるコツはご存じですか? 眠ったままできる方法や検査の流れも医師が解説!
眠ったままできる内視鏡の検査方法とは? 検査の流れや注意点
編集部: 眠ったままできる内視鏡検査の流れを教えてください。 伴野先生: 麻酔と聞くと、気道に管を入れて人工呼吸をおこなう手術のような全身麻酔を想像するかもしれませんが、外来でできる静脈注射での麻酔です。この麻酔薬には「拮抗薬」、つまり麻酔を覚ますための薬があるので、例えば「呼吸がおかしくなった」などの異常があった際、拮抗薬を投与して覚醒させることができます。モニターをつけてから麻酔をして、内視鏡検査をおこなった後に、拮抗薬で起きてもらうという流れになります。検査後は30分~1時間は、安静が必要です。 編集部: 痛みに関して、注意点はありますか? 伴野先生: 麻酔を使うといっても、完全に苦痛がゼロになるわけではないので、その点は注意が必要です。例えば、胃カメラ検査であれば検査後に喉の痛みや違和感が気になる場合もあるでしょうし、大腸カメラ検査で無理な操作をすると痛みで目覚めてしまうこともあります。大腸カメラ検査の場合は、検査前に下剤を1.8~2リットル飲んでいただくのですが、飲むつらさは鎮静剤でも避けることはできません。 編集部: ほかに注意する点などはありますか? 伴野先生: 検査後はリカバリールームで休んでいただきますが、帰宅可能となった後も眠気が残ったり、ふらついたりすることがあります。加えて、判断能力が低下することもあるので、検査当日は自動車やバイク、自転車の運転を控えていただきます。また、高齢の方は可能な限り付き添いの人と一緒にお帰りください。薬の効果でお伝えした検査結果を忘れてしまうケースもあるため、心配であればメモを取ったり、ご家族などに同席してもらったりしましょう。検査当日の説明を忘れてしまっている場合があることは医師側も了解しているので、後日外来の際に遠慮なくお問い合わせいただければと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 伴野先生: 鎮静下での内視鏡検査は決して怖いものではなく、全身管理のもとでおこなえば非常に安全な方法です。気になる症状があるのにもかかわらず、痛みへの恐怖感から検査を先延ばしにして、病気の発見が遅れることが医師として最も残念です。検査について不安なことなどがあれば、なんでも相談していただいてかまわないので、自分の体を知るためにもぜひ検査を受けてほしいと思います。