初失点も4ゴールを挙げた大津が熊本学園大付属を下して準決勝進出
ベスト8が出そろった「令和2年度県下高校サッカー大会」は24日、準々決勝4試合を行い、えがお健康スタジアムでの第1試合は大津と熊本学園大付が対戦。終了間際に今大会初の失点を喫したが、大津が4得点で準決勝へ勝ち進んだ。 【フォトギャラリー】準々決勝 大津 vs 熊本学園大付 大津の先発は3回戦と同じで、上塚蓮と小林俊瑛が2トップを組み、右ワイドに1年生の田原瑠衣を起用。立ち上がりから押し気味に進め、中盤のセカンドボール争いでも優位に立って左右へ展開するが、パスが合わずフィニッシュまで持ち込めない展開が続く。 「クロスオーバーに対して対応されていたので、もう少しスペースを見つけて入っていけると良かった」と、大津の山城朋大監督が序盤について振り返った通り、熊本学園大付は3ラインをコンパクトに設定して上げ下げしつつ、外からのランニングにもしっかりとついて、中央に入ってくるクロスはシンプルに跳ね返しながらエリアを回復。しかし熊本学園大付がアウトサイドの縦に対してケアしていた分、大津はDFラインの前のスペースを使いながら、徐々に攻撃のテンポを上げていく。 飲水タイムを挟んだ後も、熊本学園大付の固い守備を破るには至らず、逆にコーナーキックを与えて中央で合わされるシーンもあった大津だが、33分、左のハーフスペースでボールを受けたMF川口敦史が、外を回った日高華杜の動きに引っ張られて生じた相手マークのズレを逃さず、中へ持ち直して右足ミドルを決め先制。1-0で折り返した。 後半からピッチに入ったFW一村聖連の個の仕掛けをはじめ、川口をトップへ、さらに中央のMF森田大智を左アウトサイドへ動かす交代など、「近い距離でのプレーが生きる選手の組合せ」(山城監督)によって、コンビネーションでの突破など攻撃にリズムと推進力を高めた大津は64分、左サイドからの日高のクロスがそのままゴールインしてリードを広げる。さらに5分後の69分には川口のボックス内への仕掛けを起点に、交代出場したMF岩本昌大郎が流し込んで3-0、72分には中央での一村のタメからMF薬師田澪が決め4-0とした。 試合終盤、中盤でのボール奪取と速い切り替えからFW藤本力翔のゴールで一矢報いた熊本学園大付の厚晴仁監督は、「大津さんとやるときは後半が課題で、選手交代で押し込む場面は作れましたが、自分たちのボールになった時に中盤で収めることができないと厳しい。2点目を失うまでは守備もよくやっていたし、今大会を通じて成長も見られたので、自分たちの時間をもっと長くできるよう、個人、チーム共にもっと成熟させて、高校総体に向けてやり続けていきたい」と話した。 一方、交代によって質を落とすことなく、同時に攻め方に変化を加えるアレンジの幅も示した大津の山城監督は、「一昨年の選手権の決勝で敗れてから『シュートを打たせない』ことを求めてきましたが、今日は6本くらいシュートを打たれていますし、悪い奪われ方からの1失点は選手たち本人が一番悔しいと思います。決められたくないという思いから距離をあけているところもあるので、やらせないためにもっと詰めることを改善したい」と、秀岳館との準決勝に向けて守備面の修正点を口にしていた。 (文・写真=井芹貴志)