男女の賃金格差はどれくらいあるのか。年齢や雇用形態、産業別にチェック
2022年1月20日の衆院代表質問で、岸田文雄首相は男女の賃金格差是正に向けて有価証券報告書の開示項目にするなど、開示ルールの在り方を具体的に検討すると各種メディアで報じられました。 【図表】男女の賃金格差はどれくらい? OECDの「男女間賃金格差」(男性所得の中央値に対する男性と女性の所得中央値の差)によると日本は22.5%。1位の韓国31.5%、2位のイスラエル22.7%に次いで3位です。 男女の賃金の差は管理職の比率と勤続年数の違い、また職種や業種などさまざまな要因があるでしょう。実際にどれくらいの差があるのか、統計とともに確認していきましょう。
男女の平均年収の差は239万円
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は433万円です。男女別では男性は532万円、女性は293万円と、男女で239万円の差があります。 ただこれは1年を通じて勤務した給与所得者5245万人の平均です。年齢や性別、職種などもすべてあわせた結果となるので、同調査より正規・非正規に分けた平均給与も確認しましょう。 【正規】平均給与 496万円 ・男性:550万円 ・女性:384万円 【非正規】平均給与176万円 ・男性:228万円 ・女性:153万円 男女差は正規で166万円、非正規で75万円。正規・非正規で分けても男女で大きな差があることがわかりました。
2001年~2020年までの男女間賃金格差をチェック
ではもう少し詳しく、厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」より、2001(平成13)年から2020(令和2)年の男女の賃金の推移を確認しましょう。 ※賃金とは6月分の所定内給与額。「所定内給与額」とは、現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当として支給される給与)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。 2020(令和2)年の賃金は男性で33万8800円、女性で25万1800円。男女間賃金格差(男=100)にすると74.3です。 男女間の賃金格差の推移をみると、2001(平成13)年の65.3から2020(令和2)年の74.3まで9ポイント是正されています。しかし逆に、まだ25.7もの男女差があるとも言えるでしょう。