【カペラS回顧】父アポロキングダムに初の平地重賞勝利をプレゼント 3歳牝馬ガビーズシスターが得意舞台で輝く
アポロキングダム産駒の平地重賞初V
昨年はテイエムトッキュウが前後半600m33.5-35.8で逃げ切り、中山ダート1200mの重賞としてはスローに近いと評した。 【阪神ジュベナイルフィリーズ2024 推奨馬】前走は二冠牝馬に匹敵!勝率50%データ該当で盤石 メイデイレディも解説(SPAIA) 今年もテイエムトッキュウが連覇を目指し出走。昨年2着に下したチェイスザドリームが今度こそはハナを譲らないと競りかけ、前半600mは雁行状態の32.5で昨年より1秒も速く、今年はハイペースとなった。 後半600m37.6と時計を要し、差し馬台頭の競馬に変貌。顔ぶれは同じでも、流れは真逆。13、14着と共倒れになったが、チェイスザドリームは昨年を踏まえれば、簡単には譲れないという、意地をみせた。 この流れを制したのは3歳牝馬のガビーズシスター。17回目で3歳牝馬が優勝するのは初。スピードだけではなく、耐久力もないと厳しい重賞だけに、ガビーズシスターは今後に向けて大きな1勝となった。 父アポロキングダムはレモンポップと同じレモンドロップキッド産駒で、同産駒JRA初勝利をあげた。JRA2勝止まりも父の血統背景から種牡馬に。キングマンボ系キングカメハメハの成功もあと押しした。 日高軽種馬農協門別種馬場からレックススタッドへ移動。初年度から勝ち馬を出し、アポロマーベリックが障害GⅠ・2勝をあげた。平地重賞は今回が初勝利。最多勝は中山ダート1200mの19勝でこのコース4勝ガビーズシスターの重賞制覇は納得だ。 アポロキングダムは芝13勝、ダート64勝のダート種牡馬。芝はサンデーサイレンス系ディープインパクトとキングカメハメハ系統が強い。ダートも似たような状況にあるが、それでもレガーロ産駒アウトレンジなど、マイナー種牡馬にもチャンスがあるから面白い。 アポロキングダムは2022年を最後に種牡馬引退。ガビーズシスターの2021年世代のJRA在籍はガビーズシスターとシグムンドだけ。2頭ですでに7勝もあげており優秀だ。 シグムンドの2勝はダート1800、2100m。距離適性の幅広さはいかにもキングマンボ系らしい。レモンポップの活躍も相まって、アポロキングダムの血統的価値も上昇するだろう。 ガビーズシスターのその名にピンとくるオールドファンがいるだろうか。母の母はエンゼルカロ。そう、その母の母テスコエンゼルはテスコガビーの5歳下の全妹になる。 ガビーズシスターはテスコガビーと同じ一族に属し、母父スペシャルウィークでマルゼンスキーの血が同居している。70年代に快足で鳴らした牡牝にたどり着く血統は熱い。 ガビーズシスターは中山ダート1200mを得意としており、ハイペースへの対応力が高い。血統表を眺めればそれも納得。3歳と若く、連覇だけではなく世界へ出るなどロマンが広がる。なによりこの血を後世に残してほしい。