+37cc以上のハイパフォーマンス! カワサキのミドルスーパースポーツ「Ninja ZX-6R」
2019年に全面的な刷新を受け、それと同時に国内仕様の導入が始まったモデルがカワサキのミドルスーパースポーツ「Ninja ZX-6R」だ。このカテゴリーの慣例である599ccではなく636ccにアップされた排気量はどんなフィーリングなのか? +37ccの余力をストリートとサーキットで堪能した。
ストリートで効く+37ccのチカラ KAWASAKI Ninja ZX-6R KRT EDITION
新型CBR600RRもそうであるように、近年のミドルスーパースポーツはかなりトガッた特殊なカテゴリーになっていた。若手レーシングライダー育成マシンの傾向が強く、高回転&高出力であることが重視された結果、かなりピーキーなキャラクターにならざるを得なかったからだ。 だからと言って、電子デバイスを満載するほどのコストは許されず、キャンキャン回しながらイチかバチかでコーナーへ飛び込む。本気のパフォーマンスを知ろうとすると、そういうスパルタンな走りを要求されたのである。 トルクフルで、様々なセーフティ機能が働くリッタースーパースポーツの方が扱いやすいのが正直なところで、世界的な傾向としてミドルスーパースポーツの存在感はやや希薄になりつつあったのが現実だ。 こうした状況になることをどこよりも早く予測し、対策を練ってきたのがカワサキである。レースとストリートは別モノと考え、03年の段階で599ccの「ZX‐6RR」と636ccの「ZX‐6R」をラインナップ。決して大きなマーケットではないが、ユーザーがいるところに適切なプロダクトを用意するという企業姿勢は大いに評価されるべきだ。 そのサービスがもう一段進んだのが、19年のことである。それまでは逆輸入車として展開されていたが、全面改良を機に国内モデルとしてラインナップされることになった。この時、ETC車載器が標準装備されるなど、ユーザーへ寄り添う姿勢がさらに強められたのである。
9000rpm以上の高回転領域も5000rpm付近の中回転領域も難なく許容。スキルやペースを気にすることなく楽しめるフレキシビリティが魅力だ。