トヨタ「クラウン」の歴史が終わる!? 時代を彩ったクラウン5選
●1971年発売 4代目クラウン
初代の誕生から高級車として歩み始めたクラウンは、1971年に4代目が登場。それまでの国産高級車とは一線を画する斬新な外装デザインにボディ同色バンパーの採用や、曲面を多用したフォルムが話題となりました。 ボディタイプは4ドアセダンのほかに、2ドアハードトップ、ステーションワゴン、ライトバンを設定。トップグレードにはシリーズ初の2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載するなど、高級車としての存在感を高めています。 また、現在はすべてのクルマが搭載する電子制御燃料噴射装置の採用や、電動リクライニングシート、アイドリングストップ機能など、当時の最先端技術が織り込まれました。 しかし、4代目の斬新なデザインはクラウンの顧客である保守的なユーザーから敬遠されてしまい、販売は低迷し、後に「クラウン史上最大の失敗」という烙印が押されました。 そこで、トヨタは4代目の発売からわずか3年後の1974年に、直線基調で重厚感のあるデザインに一新された5代目を発売し、販売台数を回復させました。 当時は受け入れられなかった4代目のデザインですが、現在はクラシック・クラウンのなかでも高い人気を誇っています。
●1987年発売 8代目クラウン
日産は1988年に高級パーソナルセダンの初代「セドリックシーマ/グロリアシーマ」(以下、シーマ)を発売しました。日本は好景気に湧いていた時代で、シーマは大ヒットを記録。 シーマに追従するように各メーカーとも次々と高級セダンを発売し、好調なセールスを記録するなど。この状況は社会現象となり、後に「シーマ現象」と呼ばれました。 一方、トヨタも1989年に初代「セルシオ」を発売しましたが、それに先立って1987年に8代目「クラウン」が登場。 4ドアハードトップには3ナンバー専用のワイドボディがラインナップされ、トップグレードの「ロイヤルサルーンG」は「ソアラ」や「セリカXX」と同じ3リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載しました。 さらに、1989年にはセルシオに先行して4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」を追加。1990年には2.5リッター直列6気筒DOHCエンジン搭載車が登場するなど、さまざまなニーズに対応。 好景気の追い風もあり、一時期は月間販売台数で「カローラ」を上まわり、高額なモデルでありながらも1988年から1990年の国内販売台数ランキングでカローラ、「マークII」に次いで3位になるほどの人気ぶりでした。 なかでも1990年は歴代クラウンで最高となる年間約21万台(シリーズ累計)を販売。2019年にプリウスが登録車でもっとも売れたモデルですが、それでも年間12万5587台ですから、8代目クラウンのすごさが際立ちます。