父親から受け継いだ時、3万kmしか走っていなかったコスモスポーツを、不動状態から復活再生|1969年式マツダコスモスポーツ Vol.3
1969年式 マツダコスモスポーツ Vol.3 1967年に発売された当時、まさに宇宙船をイメージさせるフォルムで、クルマ好きの憧れだったコスモスポーツ。そんなクルマが生まれた時から家の車庫に置いてあったというのが、取材当時37歳だったオーナーの高山伸一さんだ。 前期用のナルディ製ステアリングを装着したインテリアや、宇宙船をイメージさせる特徴的なサイドビューなど【写真5枚】 ボディカラーがオリジナルの赤という今や希少な個体は、高山さんの父親の知人が新車で購入したもの。その後、たいして走行距離が延びないうちに知人が手放し、それを高山さんの父親が引き継いだ。 「小学校低学年までは、父の運転であちこちドライブに行っていました」と高山さん。 その後、父親が他界。ナンバーを返却して15年ほど車庫に眠っていた時期もあったが、2002年に復活させた。今や高山さんにとって、コスモスポーツはかけがえのない存在になっている。 なんでも、「私が父親からこのコスモスポーツを受け継いだ時、3万kmしか走行していませんでした」というのだから、基本的には良い状態だった。とはいえ15年間車庫保管されていたので、ナンバーを取得し走れるように復活させるためには、クルマ全体を修復する必要があったという。 「ブレーキは張り付いていたので分解修理が必要で、エンジンもプラグホールからオイルを入れ、ひたすらラチェットレンチで手回ししてなじませる作業をして、始動するまで時間をかけて復活させました」と、さまざな苦労があった。また、ナンバーを再取得して公道復帰させたが、エンジンの調子が悪化。そこでオーバーホールも実施している。 タイヤは前後とも、165/80R15のサイズを装着するが、ホイールは、純正スチールホイールの雰囲気を残したアルミホイールへ交換。これは、コスモスポーツオーナーズクラブがメンバーのためだけに、本数限定で製作したもの。一般には市販されていないものだ。 高山さんは車庫保管の方法も工夫していて、コンクリートなど湿気の溜まる場所に駐車する場合は、車体の下にコルクボードを敷いている。湿度の高い時季が過ぎたら捨てて、新しいものを敷き直すのだという。古い車にお乗りの方で、車庫の湿気対策にお困りの方は一度試してみてはいかがだろうか。 50年以上前に、これほど魅力的なスポーツカーが広島から生まれたことに、今さらながら感動する。
Nosweb 編集部