【もっと磨き込める】アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントへ試乗 小変更
モデル中期のフェイスリフト
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) アルファ・ロメオからひと回り小さいSUVが、まもなく登場する。それに間に合わせるように、ステルヴィオはモデル中期のフェイスリフトを受けた。 【写真】ステルヴィオ ドイツ製競合SUV (137枚) 初試乗は3年前。知覚品質やデジタル技術で物足りない印象のあったインテリアも、わずかにアップデートされている。装備も見直され、オプションで選べる運転支援システムは、レベル2に対応した。 英国で用意されるトリムグレードは、スーパーとスプリント、ルッソTi、ヴェローチェの4種。エンジンは200psの2.0L 4気筒ガソリンターボか、190psの2.1L 4気筒ディーゼルターボの2つ。ヴェローチェでは、最高出力がそれぞれ280psと210psへアップする。 最上級グレードとしては、510psのクアドリフォリオが君臨。高性能がゆえ、リアシートの子供は気持ち悪くなる可能性が高いからご注意を。 サスペンションは、コイルスプリング。ヴェローチェには、スプリングレートを上げた短いコイルと、減衰力特性を選べるダンパーを装備する。アダプティブ・ダンパーと機械式LSDがリアアスクルに付く、パフォーマンス・パッケージがオプションで用意される。 トランスミッションは共通で8速AT。エントリーグレードのディーゼル・モデルを除き、Q4と呼ばれるクラッチベースの四輪駆動となる。 英国での価格は、安価なグレードでは4万ポンド(540万円)を切る。しかし2019年度モデルと比べると、価格は全体的に6%から10%ほど上昇。そのぶん、装備が充実したということなのだろう。
ハーフレザーのシートに大きなシフトパドル
今回試乗したのは、2.1Lディーゼルターボのスプリント。ドライブトレインに目立った変更はないから、ドライビング体験の印象は従来と大きく違わない。 インテリアのデザインはスマートさを増し、前期モデルより惹かれる雰囲気に仕上がっている。センターコンソールには表面加工されたアルミニウムが張られ、シフトレバーなど操作系の素材の質も良くなった。 中央のアームレスト前方には小さなトレイがあり、スマートフォンのワイヤレス充電機能が内蔵されている。シフトノブの横には、クルマのキーを収めるのに丁度いい、小物入れも用意された。 イグニッション・スイッチは従来どおり、ステアリングホイールに付いている。初めて乗ると、気づきにくい。 車内の質感は以前より上がったものの、同価格帯のライバルと比べると、まだ及ばないことも確か。エアコンの送風口やステアリングコラムに用いられているプラスティック製パーツは、安価なハッチバックと変わらない。 複数の機能が割り振られたステアリングホイール上のスイッチは、見た目も触感も上級な感じは薄い。反面、普段触れないような下部にも、本物のレザーを用いるこだわりは見られる。 ハーフレザーのシートは、風合いがよく、座り心地もイイ。ステアリングコラムに付く大きなシフトパドルは、探すまでもなく視界に入る。金属質な触り心地で、操作する喜びも大きい。