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「電話を取る」ことで仕事を覚えた若手の頃。スマホ・SNS時代の新人教育は難しい!?

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LIMO

日本企業と外資系企業には大きなことから小さなことまで数々の違いがありますが、そのうちの一つに、自分以外にかかってきた電話を取らないということがあります。全部が全部とは言いませんが、少なくとも私が経験した外資系企業ではそうでした。2000年代初頭の話です。 筆者は新卒で日本企業に勤めましたから、外線電話は部署の新入りが率先して取るというのが常識でした。

他人宛の電話は取らない外資系企業

30代で外資系企業に転職したとき、入社当初は電話が鳴るたびに新卒社員並にビクビクしていたものです。たまにガイジンから英語の電話がかかってきますし…。 しかし、電話があっちで鳴ろうとこっちで鳴ろうと、本人宛の直通電話以外は完全無視。電話が鳴り止むまで放ったらかしでした。最初はヒヤヒヤでしたが、すぐに慣れました。むしろ他者への電話を取らないことが、こんなに精神衛生上楽なのかと後日思い知った次第です。 電話に出ないなど非常識な! と思われるかもしれませんが、社員のほとんどは常識ある、日本企業からの転職組です。一度、同僚に「この会社って、みなさん電話取りませんよね?」と尋ねたところ、「他人の電話を取って内容がわからずトラブっても問題だし、そもそもペイしないでしょ」という答えが返ってきたことを思い出します。 たしかに「誰それは席を外しております」と電話を取って答えても、不在であればそもそも本人は電話に出られないわけですし、急ぎならスマホ(当時は携帯)かメールかで連絡する方が効率的です。 そして今やスマホが主流ですから、業務内容によっては固定電話の役割はどんどん低下していると思います。

新人教育が難しい時代

電話が個人化するのは悪いことではありません。それが本来の使い方だからです。さらに電話もせず、SNSでコミュニケーションするのが当たり前の現代では、一見、話さずとも済む便利な社会が実現したのかもしれません。 一方で、困ったこともあります。それは若手社員(特に社会人1年目の新人)のトレーニングができないということです。いくらSNSが使えても、顧客・取引先・関係者と口頭での良好なコミュニケーションができないと、本人のみならず会社のイメージに響きます。 筆者が新人時代の数カ月間は、会社の代表電話に出るのが嫌で嫌でたまりませんでした。なぜなら、お客さんは電話に出た担当者(=筆者)が何でも分かっていると勘違いしていますし、好き勝手なことを聞いてくるからです。 また、間違った回答をしてしまうこともあり、その度に冷や汗をかきながら折り返し電話で謝り、訂正したことも一度や二度ではありませんでした。もちろん、電話から逃げていると先輩に怒られ評価も下がるので、なるべく積極的に取るフリはしていました。 そうこうしているうちに、お客さんが尋ねてきたことに対応するには誰に回せばいいのか、自分で回答できるのか、業務がどのように回っているのか等が分かるようになり、自分自身の社内コミュニケーションもずいぶんマシになっていった記憶があります。 そういう観点では、会社にかかってきた電話を真っ先に取るというのは、格好の新人教育と言えるでしょう。

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