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スタッフも俳優も…“観客すらもいない”『無人劇』開演のその時、劇作家は

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MBSニュース

 新型コロナウイルスの影響で、各地の劇場やコンサートホールで公演中止が相次ぐ中、京都の小さな劇場で、“スタッフも俳優も観客すらもいない”変わった『劇』が上演されました。

残された手段は呼び掛けるということ

 4月29日、京都市南区にある小劇場「シアターE9京都」で上演されたのは、スタッフも俳優も観客すらもいない…その名も『無人劇』。企画したのは、この劇場の芸術監督で劇作家のあごうさとしさんです。  「3月中旬ごろに、4月の全公演の中止や延期が決定しました。当時はそこまで切迫感もなくて、5月から出来たらいいなぁぐらいに思っていました。しかし、2020年度の最初の月に何もないのも辛い。何か出来ないかと考えた時に、無人劇のイメージが出来てきました。」(劇作家 あごうさとしさん)  あごうさんはこれまで“演劇とは何か”を問う作品を数々制作してきた劇作家です。その中で、動画などを駆使して、『出演者のいない無人劇』を実験的に行ったことがあるといいますが、“観客すらいない”のはもちろん今回が初めての試みです。  「人はいないし、お客さんにも来てもらえない状況で、演劇が仮にできるとしたら、残された手段は呼び掛けるということ。それだけを示しました。」(あごうさん)

観客いない『無人劇』だが…立ち見もでる大盛況

 開演時間は4月29日の午後2時。チケットは1枚3000円です。しかし、劇場に足を運んではいけません。劇場のホームページにはこう書かれていました。  【劇場のホームページの記載】  「どなた様もご来場なされませぬようお願い申し上げます。開演時間になりましたら、その時間にお客様のおられる場所で、一度、大きく呼吸をいただきますことをお願いいたします。」  「劇場に来ないで、29日の午後2時にかすかでも関わりを持てるようにと考えて、深く呼吸をしてくださいとお願いしました。更に、呼び声を発した時から今までの時間も共有することが出来ていたらいいなと思っています。」(あごうさん)  斬新すぎる企画ですが、なんとチケットの売れ行きは好調で、133枚が売れました。劇場の客席数は100席なので、集まっていれば立ち見の大盛況です。しかし、29日午後2時になっても、もちろん劇場には誰も来ません。