馬事公苑で『RRC FINAL 2024』開催中 〝初老ジャパン〟の田中、北島、根岸監督も参戦 12月1日に決勝
引退からおおむね3年以内の元競走馬が参戦できる馬術競技会「引退競走馬杯(以下RRC)」。その2024年ファイナル(主催・全国乗馬倶楽部振興協会)の2日目(総合・クロスカントリー)が30日、JRA馬事公苑(東京・世田谷)で行われ、パリ五輪の総合馬術団体で銅メダルを獲得した〝初老ジャパン〟のメンバー、田中利幸(39)、北島隆三(39、いずれも乗馬クラブクレイン所属)の両選手が、五輪後国内の大会に初参戦。世界トップレベルの走行と飛越で、つめかけたたくさんの観客を沸かせた。 初日の馬場で3位につけた田中選手はヴィクトリー(騸4歳、競走馬名ユキノヴィクトリー)とのコンビで11番目に登場。起伏に富んだ全長1533メートルのコースに設置された15個の障害や水壕を次々とクリアし、総合減点0で3位のまま12月1日の最終競技・障害に進んだ。 「楽しく乗れました」とさわやかな笑顔で切り出した田中選手。「馬に優しい、馬も人も成長できる大会だと思いました。コンビの馬は真面目で前向きな子。あすは減点0で帰ってきて上位にプレッシャーをかけます」と五輪同様の全力パフォーマンスを誓った。 田中選手から2番後にスタートした北島選手はウエストンバート(騸6歳、競走馬名同じ)とのコンビで挑み、こちらもノーミスで4位につけ、逆転優勝を狙う。 「あすはブラストワンピースを見にくるついでに、わたしたちも見てほしいですね(笑)」。最終日に登場するグランプリホースを引き合いに、ひとりでも多くの人に馬術に関心を持ってもらいたいとアピールする北島選手。さらに「一緒に競技に出ることで、若い選手の刺激になれたらいいなと思います」と力を込めた。大会には初老ジャパンの名付け親で、五輪総合馬術の監督を務めた根岸淳選手(47、乗馬クラブクレイン所属)もサンティーニ(騸9歳、競走馬名同)と出場し2位につけており、こちらは騎乗者として連覇を目指す。なお、2日目を終えて1位にはヒロノタイリク(騸9、競走馬名同)と楠本將斗選手(ビワコリトレホース)が立っている。 1日は総合馬術以外に馬場馬術と障害馬術の決勝も行われ、馬場には前出の2018年の有馬記念勝ち馬ブラストワンピース(騸9歳)が昨年ファイナル11位のリベンジを狙うほか、ランスオブプラーナ(毎日杯勝ち、騸8歳)が出場。障害には京都記念、AJCCと重賞2勝のダンビュライト(騸10歳)や、シーザリオとキングカメハメハの子グローブシアター(騸10歳)など競馬ファンにはなじみの馬が、新たな勲章取りに挑む。