「東京コミコン」来日セレブ側から「出たい」の声も 副実行委員長・杉山すぴ豊が明かす現在地と課題
コンテンツを充実させるには、他の巨大イベントと競い合わなければらないと杉山は指摘する。「アニメの祭典で言えばコミケがあります。12月にはコミコンと別に集英社さん主催の巨大フェスがありますし、ゲームコンテンツは秋の東京ゲームショウに出展されます」
何よりもファンを大切に
もちろん、東京コミコンは来日セレブや出展企業のみならず、会場に足を運ぶファンを大切にしている。杉山は「コミコンはファンが来ないと盛り上がらないので、セレブと同じぐらいに、ファンがゲストだと思っています」と強調する。 「セレブを気持ちよく迎えてくれるのがファンなんです。彼らにちなんだコスプレをする人もいれば、応援うちわを作って掲げてくれたり、ファンの熱気と愛情でコミコンが盛り上がっていると言っても過言ではありません。そういう意味で、ファンに対してすごくリスペクトしているので、なるべくファン同士が会える場を作ってあげたいと思っています」
“コミコン”という単語がSNSでトレンド入りするなど、ここ数年でイベントの知名度は飛躍的に上昇した。「昔は映画の情報といえば、アカデミー賞や映画祭のレポートが中心でした。近年は、コミコンで作品の発表があったということがニュースになり、サンディエゴやニューヨークのコミコンがすごいという流れから、『コミコンが日本に来てくれるといいな』というムーブメントが高まり、東京コミコンが誕生しました。そういう意味で、映画メディアの皆さんには本当に感謝しています」と杉山は感慨深げに語る。
副実行委員長として「これから先、もっと大きなコミコンにしていきたい」と意気込んだ杉山。「重複しますが、映画・海外ドラマといったハリウッドコンテンツの人気を高めていくと同時に、日本のコンテンツを並べていく場所になっていけばいいなと願っています。エンターテインメントは、ジャンル、フォーマット、メディアを超えて広がっていきます。コミックからドラマ・アニメ・映画・ゲーム・2.5次元の舞台になっていきます。『コミコンはこうあるべきだ』『こういうものしか取り上げない』などとは考えず、そういったものを乗せていく懐の広いイベントとして、これからも広がっていくといいなと思います」(取材・文:編集部・倉本拓弥)