「東京コミコン」来日セレブ側から「出たい」の声も 副実行委員長・杉山すぴ豊が明かす現在地と課題
来日セレブの調整は、毎年夏ごろから始まっているという。「仮に12月に予定していた人が来られなくなってしまった場合は、翌年の東京コミコンや大阪コミコンで調整することもあります。交渉自体は年がら年中しています。おかげ様で、東京コミコンの評判がセレブ間では良いらしく、セレブの中でも『出てみたい』という声があがるみたいです」
また杉山は、マーベル、DC、『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』シリーズの出演者はもちろん、ストリーミングサービスの普及に伴い、ここ数年は人気配信ドラマに関連したセレブの来日も増えていると分析する。「配信ドラマの時代になってから、映画で活躍されている方もドラマに出ますよね。例えば、トム・ヒドルストンさんは、映画俳優であると同時に、ドラマシリーズ『ロキ』にも出ています。そういう方も増えましたね」
コミコンは“プラットフォーム”
昨年12月開催の「東京コミコン2023」は、来場者数8万5,682人以上と過去最高の数字をマーク。今年は史上初の動員数10万人突破が見込まれるなど、東京コミコンは日本のポップカルチャーファンに支えられる一大イベントになりつつある。 歴代の東京コミコンを振り返った杉山は、「クリス・ヘムズワースさんたちが来日した2019年開催が、コミコンとして一番完成された形だったんです」と打ち明ける。
「あのコミコンをベースに、これからどう伸ばしていこうかと考えている最中、コロナ禍に突入してしまいました。(2020年に)コミコンをオンラインで初開催しましたが、やはりリアルで会えることが楽しみなので、リアル開催を大事にしようと思いました。2022年にリアル開催が再開した時はまだコロナ禍で、マスク着用が必要など(条件が)いろいろありました。昨年の『東京コミコン2023』は、一度掴みかけた(2019年の)モデルを、自分たちで立ち位置に戻す意味合いも含まれていました」
世界のコミコンと肩を並べるためには、改善すべき課題もある。大きな課題の一つとして、杉山は「日本のIP(知的財産)の展開」を挙げた。「コミコンをアメコミやハリウッドコンテンツを扱うイベントだと思っている方が多いですが、コミコンは“プラットフォーム”なので、そこに何を乗せるかは自由なんです。これから世界のコミコンといい意味で競い合っていくためには、日本のコンテンツやゲーム文化も積極的に取り入れなければならないと思っています」