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トイレで生まれた「ムーミンの原型」誕生の島に残る作者トーベの面影 女の子ニンニが見せた意外な結末

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ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンが、ムーミンを最初に描いた場所として知られるフィンランド南部のペッリンゲ諸島。首都ヘルシンキに住む翻訳家、森下圭子さん(51)はこの夏、1カ月間滞在しました。「自分の心で考え、動く」。そんなムーミンの谷の世界観を、現地で感じたそうです。(朝日新聞記者・小川尭洋) 【画像】トーベ・ヤンソンが暮らした小屋を写真で紹介 床の扉を開けてみると…

兄弟けんかの後に描いた「醜い生き物」

私は7月上旬から、フィンランドの首都ヘルシンキから80kmほど離れたペッリンゲ諸島にいます。バスと自転車を乗り継いでやって来ました。 コロナ禍の影響で、ツアーガイドなどの仕事が全て吹っ飛んでしまって。せっかく時間ができたので、念願だった少し長めの滞在をすることにしたんです。 大小約200の島々からなるペッリンゲは、フィンランドの人々にとって、夏の避暑地のようなところです。 ヘルシンキ生まれのトーベは、幼いころから毎年夏に、家族とペッリンゲを訪れ、地元の人の母屋を借りたり自分で小屋を建てたりして過ごしていました。「最初のムーミン」と言われる絵も、この頃に生まれました。トーベは幼いころ、離れのトイレによく引きこもっては、壁に貼られた厚紙に落書きをしていたそうです。ある日、弟とけんかした時も、トイレへ駆け込みました。そして、悔しさと自分への怒りとともに描いた「醜い生き物」が、ムーミンの「原型」です。 1990年代後半、現地を取材したのですが、そうした落書きは野ざらしにされたままで、ボロボロになっていたんです。現在はきちんと保管されていますが。母屋の貸し主にとって、トーベは大切な親しい人ではあるんだけど、特別視はしていないのだと感じましたね。 トーベは、本格的に創作を始めた後も、ペッリンゲに通い続けました。凍った海が溶け始める4月から、嵐が多くなる9月ごろまで、半年近く滞在していました。50歳過ぎてからは、孤島クルーヴハル島の小屋でパートナーと過ごしました。 ゴツゴツとした岩が広がる島の海岸や、獣道を人々が踏んで作った曲がりくねった道が続く森など、ムーミンの挿絵と重なる景色が多くあります。ペッリンゲなしには、ムーミンを描けなかったと言っても過言ではありません。

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