「岸田の置き土産」防衛増税を巡る石破政権の迷走ぶり、そもそも本当に大幅増税は必要なのか
■ 国民生活をも左右する防衛増税は妥当なのか 防衛費増税でも国民民主と蜜月関係を維持できるのか。それとも防衛費増税に理解を示しそうな他党にすり寄るのだろうか。そんな小手先の数合わせ、政権運営ごっこに国民はウンザリだ。 防衛費増税は国家の命運、国民生活を大きく左右する大テーマである。なぜ、増税でなくてはならないのか。ちなみに令和元年以降の税収の推移は別掲表の通り(令和6年度は予算額、それ以外は決算額)。 国民の実質賃金=所得が減っているので、所得税が4兆円も減っている(これには法人所得税も含まれる。令和6年の総税収に占める割合は法人所得課税24.4%、個人所得課税26.7%。個人の所得課税の割合(比率)は平成5年の38.6%をピークに下がり続けている)。 逆に円安や資源高による物価高騰の長期化で、消費税収は物価高騰が始まった令和3年から2兆円近く増えている。国民からすれば値上げ=消費税の実質増税である。 こうした状況下で、国民の家計を直撃する所得税やたばこ税を財源とする防衛費増税が妥当かどうか。改めて国民の前でその必要性を詳細に分かりやすく説明し、予算委員会の中で堂々と議論すべきだろう。 もはや所得税だけ先送りだとか、加熱式たばこだけ先行だとか、姑息な手法は通用しない。そんな旧来型の不透明な政治を続けていくようであれば、自民党は参院選でボロ負けし、下野が現実のものとなってくるはずだ。国民をなめてはいけない。
山田 稔