利益だけじゃない! 投資を始めることで得られる“副産物”って?【フリーアナウンサー青木源太】
投資を始めると得られる“副産物”って?
皆さん、こんばんは。青木源太です。 投資をする最大の目的は、資産を増やすことだと思います。自らが人的資本として働く日々の本業の仕事とは別に、自分の金融資本に働いてもらい利益を得ることです。そして金融資本に働いてもらい利益を受け取るためには、キャピタルゲインとインカムゲインがあることを前回までにご説明しました。 青木源太「iDeCoは“攻めの投資”にすべき2つの理由」 今回はまた別の角度から見たときの、投資の意義についてお話します。それは「社会の仕組みが見えてくること」です。最大の目的である利益を得ることとは視点が違いますが、投資を始めると確実に得ることができる、言わば副産物のようなものです。
ときに、経済においてお金は「血液」に例えられます。社会全体を「身体」として考え、お金は「血液」、そしてそれを送り出す銀行は「心臓」とするのです。血液たるお金の流れが止まってしまうと、経済活動全体がストップしてしまいます。流れが早すぎてもいけませんし、滞ってしまってもいけません。効率良く循環していくことが求められます。 投資を始めると、自らの資産がこの大きな流れの中に投入されます。たとえその額が社会全体には大きな影響を与えない微々たるものであっても、人間は自分の投じた資金の行く末は気になるもの。その企業の動向や変化に目を向けるようになります。そして、その企業や業界の流れが掴めるようになってくると、徐々に社会の流れにも目が向くようになり、やがて全体の仕組みが見えてくるというわけです。
仕組みがわかる=物事を楽しむコツである
この「仕組みがわかる」ということは物事を楽しむコツでもあります。僕は日テレにアナウンサーとして入社してすぐ、「MotoGP」というバイクレースの実況を担当することになりました。当初は、興味の薄い分野で免許などもなく、専門用語ばかりが飛び交う現場で苦労をしました。そんなとき先輩から「まずはバイクの仕組みを知ってみれば?」とアドバイスを受けました。そこで、自分で大型自動二輪の免許を取ったり、解説者の方に疑問をぶつけることでバイクの仕組みについて知ることができました。 それまでの僕は、ガソリンを入れたエンジンがどういう仕組みで動き、バイク全体を動かすのか全く知りませんでした。こうした仕組みを知ったとき、開発者やエンジニア、そしてそれを操るレーサーに対する興味が生まれ、やがてリスペクトに変わり、とても前向きに競技の実況に向き合うことができました。仕事だから、与えられた業務だから、という気持ちを超えたモチベーションで仕事に取り組めたことは自分にとって大きな財産になりました。 投資をしていない人は経済ニュースに対して「つまらない」という感想を持つ人が多いようですが、ひとたび投資を始め、仕組みがわかると印象は変わるでしょう。毎日発表される為替や株価指数の意味もわかるようになります。僕は今、米国株を中心に投資をしているので、米国市場のニュースをよく見ていますが、決算や新製品発表のニュースはもちろんのこと、経営陣の人事にまで興味が湧いてきます。