万博はユニホームも多彩 ボランティアやパビリオンのスタッフ テーマ表現、環境配慮も
2025年大阪・関西万博で、来場者を迎えるボランティアやパビリオンのスタッフが着用するユニホームが続々と発表されている。パビリオンのコンセプトを表現したデザインを基調に、持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに掲げる万博らしく、環境に配慮した素材を使用し、多様性を象徴したものが目立つ。趣向を凝らした衣装も万博の見どころとなりそうだ。 【写真】日本ガス協会の「ガスパビリオン」は未来に「化ける」がテーマで、ユニホームはおばけをイメージしたふんわり感のあるデザイン 経済産業省は10月、「日本館」の案内スタッフのユニホームを公開。「日本の美意識をまとう」とし、着物の要素を取り入れたジャケットや巾着(きんちゃく)型のバッグなどをそろえた。日本館は「循環」をテーマとするだけに、素材には植物や使用済みのペットボトル由来の繊維を使っている。 大阪府市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」のユニホームは「性別・季節を問わず着用できるボーダーレス」をうたう。水都・大阪を象徴した水のイメージを曲線的なラインやフォルムで表現した。ポリエステル素材とし、閉幕後は原料に戻してリサイクルする。 各企業もデザインを公表。パナソニックグループは多様性や公平性のメッセージを込めた。「人によって見方が変わるデザイン」を採用し、見る角度や着こなしによって色合いや形が変化する。日本ガス協会の「ガスパビリオン」は未来に「化ける」がテーマで、ユニホームはおばけをイメージしたふんわり感のあるデザインとした。 一方、会場の内外で案内などを行う万博ボランティアのユニホームはSDGsの一つ「パートナーシップで目標を達成しよう」のカラーであるネービーを基調に、グレーや黄色を組み合わせた。デザイナーのコシノジュンコ氏が助言、監修した。 過去に開催された万博でも、最先端のデザインや華やかな衣装が会場を彩ってきた。1970年大阪万博では、コシノ氏が理美容機器メーカー、タカラベルモントのパビリオンのユニホームを担当。黄色のパンツにリバーシブルのマントをまとうスタイルで、当時としては珍しいデザインが話題を呼んだ。 博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長はユニホームについて「参加国や参加者が、自分たちの文化をどのようにみているかを表現している」と指摘した上で、「万博は世界を一気に経験できる機会であり、文化やその国をみせる方法としてユニホームは重要だ」と強調した。(井上浩平)