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人気急上昇のNY州知事…トランプに「この国に王様はいない」

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SmartFLASH

 アメリカでは、一刻も早く経済を再生させたいトランプ大統領と、住民の健康を優先させたい州知事たちとの争いが激しくなってきた。  いま矢面に立っているのが、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事だろう。  クオモ知事は1957年、ニューヨーク生まれ。父親は前ニューヨーク州知事で、弟のクリスは、先日新型コロナ感染を発表したCNNの有名アンカー。前妻のケリーはケネディ一族で、前駐日大使キャロラインの従姉妹にあたる。小室圭さんの留学で話題となったフォーダム大学を卒業後、弁護士となり、2011年から州知事を務める。同性結婚を認める法案に署名したことでも知られ、州知事の集まりでは副会長を務めている。  毎朝おこなうブリーフィングで、次々とニューヨーク州の新しい対策を打ち出し、強力なリーダーシップを発揮している。3月7日に緊急事態宣言を発動後、州ブランドの消毒薬を1週間に10万ガロン生産、家賃未払いの立ち退き90日間免除、高齢者を守るマチルダ法の発表、マスクの義務化や医療物資・病院施設の確保など、感染の震源地となったニューヨーク州の事態収束へ東奔西走している。  知事の権限で自宅待機を義務づけた際は「自分が全責任を取る」とコメント。人気急上昇中で、彼を大統領に推す声も多い(#CuomoForPresidentがトレンド入りしたほど)。ブリーフィングを重ねるたびに失言を重ねてしまう大統領とは対照的だ。  クオモ知事は大統領とはまめに連絡を取っており、時として大統領を褒め称えるが、批判も辞さない。  早急に経済復活策を発表したかった大統領は、行動自粛を5月1日のメーデーまでに解除したいと強く望んでいた。専門家や知事たちから反論されても「自分にすべての権限がある」「自分が決める」と強気の姿勢だった。  これに対しクオモ知事は「この国に王様はいない」と非難。州知事たちは近隣の州と連携し、科学的根拠に基づいて自分たちで規制緩和の時期を決める姿勢を見せた。専門家からも経済再開は時期尚早だと指摘され、大統領はトーンダウンせざるを得なかった。  結局、4月16日に発表された経済再開への3段階のアプローチ「Opening Up America Again」では、権限を大幅に知事たちに委ねることになった。  州知事たちに譲歩したトランプ大統領だが、そのまま引き下がるわけもない。その翌日、わずか4時間に12個のツイートをした。そのうち9つがWHO(世界保健機関)や中国、対立する民主党、クオモ知事らへの批判で、残り3つが「ミシガンを解放しろ」「ミネソタを解放しろ」「バージニアを解放しろ」というものだった。    厳しい行動規制のなか、アメリカ中西部などではデモが活発になっている。最大規模だったミシガンでは3000~4000人が集まって、ライフル銃を片手にトランプ支持を訴える人の姿もあった。この3州は、ひんぱんに与野党が入れ替わる激烈な選挙区で、現在は民主党が州知事となっている。共和党のトランプ大統領が「この地域を解放しろ」と言ったことで、今後、政治的な動きが強まるのは必至だ。    ツイッターで大統領から「これまでやってあげたことに対する礼が足りない」と言われたクオモ知事は、「自宅でテレビを観ているのなら、まず大統領が仕事へ行った方がいいだろう」「彼は何回サンキューと言われたいのだろうか。花束を贈れとでもいうのか」とコメントを返している。  半年後の大統領選に向けて、コロナに対する対策でも「政治的な分裂」が大きくなってきた。(取材・文/白戸京子)

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