クリスマス・イブ(12月24日)
「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう-」。言わずと知れた山下達郎さんの「クリスマス・イブ」の出だしのフレーズだ。一九八三(昭和五十八)年六月に発売されたアルバム「MELODIES」に収録され、その年の十二月にシングルカットされた。 だが、聖夜の曲として広く定着したのは、世に出てから五年後の昭和最後の師走だった。駅の構内で恋人を待ちわびる、女優深津絵里さんの愛らしい姿が話題となったJR東海のCMに使われてからだ。時代が平成に移り変わっても、年の瀬の日本を毎年盛り上げてきた。 コロナ禍の令和の冬、定番ソングを耳にする機会は、例年よりも少なく感じる。いつもならプレゼントを買い求める人々が行き交うはずの繁華街もどこか物寂しい。先月末にJR福島駅を訪れた人は「三密」を避けようと、感染拡大前に比べて一割以上減っている。 県民の多くが我慢の生活を送っているにもかかわらず、新型ウイルスの猛威は衰えを知らない。だからといって対策をおろそかにしたら、病魔の思うつぼだ。こよいは、感染が収まり、帰省した家族や大切な人に自由に会える日が一刻も早く訪れることを願う静かな一夜にしたい。