25歳で活動休止で単身海外へ 芸歴18年目の34歳が役者業に注ぐ情熱「心に残る作品を」
主演はもちろん脇役でも光る演技、映画撮影で見えた「理想の結婚相手」
江戸川乱歩原作のミステリー「人でなしの恋」が、現代劇として映画化。俳優の細田善彦(34)が憂いを秘めた青年・門野を演じている。細田は最愛の妻にも明かせない秘密を持つ男に、共感した部分もあったと語る。誰にも話していなかったという自身の“秘密”についても教えてくれた。(取材・文=西村綾乃) 【写真】身長182センチと高身長…抜群スタイルの細田善彦の別カット 物語に登場するのは一組の夫婦。1926年に発表された小説で、見合いだった2人の出会いを、映画版ではマッチングアプリに。運命の相手と結ばれ幸せな時間を過ごしているが、夫の不審な行動に気付いた妻・京子(兎丸愛美)は夫が不貞を働いているのではないかと疑いを持つようになる。 「僕が演じる門野は、『いい人との出会いで、自分を変えたい』と結婚しましたが、妻にある秘密を打ち明けることが出来ません。たとえば、アイドルや音楽など、のめり込めるほど好きなものがあることはすてきなことと思いますが、『理解してもらえないだろうな』と思って口をつぐんでしまう。隠してしまうことは僕自身もあるので、とても共感しました」 他人を欺く以外にも、相手を傷つけたくないなど、ウソにもいくつかの種類がある。 「同性、異性関係なく、人と付き合っていく中では、相手のことを思って本音とは違うことを言ってしまい、後悔することってあると思います。門野は京子との生活を守るために、遅い帰宅を残業と偽ったりウソを重ねてしまう。台本を読んでいたとき、門野のように小さなウソを積み重ねることはしたくないと思いました(笑)。何でも話せる相手が理想。相手のことを100パーセント理解できる関係は憧れです。それは理想出会って、僕自身は(感情に)ブレーキがかかりがちなところもあるので……。ありのままの自分でいることができて心地よくいられる。自分をさらけ出すことができる人と結婚したいです。……って、自分で言っていてもよく分からなくなってきます(笑)」 問いに対して、じっくりと考えてから口を開く姿に真摯(しんし)な人柄をにじませた。穏やかな印象だが、25歳のときには自分を変えようと、俳優としての活動をストップし単身海外に飛び出したこともある。 「15歳の頃に渋谷でスカウトをされてこの世界に入りました。大学を卒業して3年ほどがたったとき、学生時代の同級生との間に差があるように感じて、1年間仕事を休んでアメリカやカナダなどを周りました。毎朝『今日は何をしよう』と思う日々は刺激的で、広い世界に目を向けられるようになりました。初めて会った人とルームシェアをしたり、いま考えると無謀なところもありますが、彼らとはいまも親しくしています。コロナ禍で(約2年くらい)海外に行くことができていないので、落ち着いたらまたあちこち出向きたいですし、縁があれば移住もしてみたいです」