今年のプロ野球はなぜバッテリーエラーが目立つのか
横浜DeNAも、今季のバッテリーエラーは53(暴投が48、捕逸が5)を数えている。暴投数は12球団の中で飛びぬけて悪い(ワースト2位で日ハムの25個)。井納、三嶋がそろって7個の暴投を記録していて、捕逸は、黒羽根が3、高城が2。バッテリー間のミスの多さがチームの大きな問題点となっている。 「キャッチャーのパスボールが増えると、ピッチャーが落ちるボールを使うことに不安を抱き、ゾーンが少し上へ浮きます。そうなってボールも甘くなるという悪循環を引き起こします。横浜DeNAがその典型でしょう」 里崎氏曰く、ベースを超えてワンバウンドした投球、バッターボックスラインからキャッチャー寄りに内側のボールは、7、8割方は、暴投と記録されてもキャッチャーの責任。それ以外のボールと、アクシデントで肩より上に弾んだボールについては、キャッチャーに責任はないというから、記録は暴投でもほとんどが捕逸と言っていい。 「セのチームにミスが目立つのは、キャッチャーの後ろのファウルグラウンドが札幌ドームやヤクオクドームのような広いところでやっていないことで、切羽詰ったものがキャッチャーにないのかもしれません。しかし、つまるところパスボールが多い原因は、捕手の能力(技術)不足、コーチの指導力不足の2点しかないんです」 里崎氏が続ける。 「失敗したら、改善していくしかない。ブロッキング技術と、準備に対する考え方です。1日、2日で直るものでなく、正しい理論を教え、根気強く技術向上の努力を続けていくしかありません。ブルペンで真剣に受けるのが一番のトレーニングですが、そういう練習をキャンプから積み重ねてきていなかったということですね」 後半戦に向けて、パスボール撲滅が勝敗を分ける鍵になりそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)