Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

事故を起こしても「未加入」のほうが得することも! 任意保険の「車両保険」が必要かどうかの「ライン」とは

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
WEB CARTOP

旧車は市場価値に見合う補償額が設定できないことも

 自動車の保険には大きく分けて2種類ある。ひとつは義務化されている自賠責保険と呼ばれるもの。もうひとつが、自賠責保険ではカバーできない領域を補償するための自動車保険で、自分の意思で入ることから通称「任意保険」などと呼ばれている。 【写真】「旧車乗り」が遭遇する14の難点!  そのため自賠責保険のほうはカテゴリーによって金額が決まっていて、補償範囲も対人の死亡やケガに限定される(金額の上限もある)が、任意保険のほうはユーザーがさまざまな条件を設定したり、補償範囲を決めたりすることができる。それにより自賠責保険ではカバーできない対物(家屋や店舗、交通標識など)への補償も可能となるし、トラブル解決に役立つ弁護士特約を付けることも可能。自分自身のケガや障害についても補償の範囲とできる。  そして、任意保険で加入を迷うのが自車に関する補償。いわゆる「車両保険」と呼ばれるものだ。自損事故や盗難といったときに、愛車の修理費を補償してくれるため、車両保険への加入はマストと考えがちだが、加入の判断はなかなか難しい。  そもそも、車両保険の補償額というのは自分で自由に決めることができず、保険会社が年式などから一定の範囲を示し、そのなかで選択するという方式になっていることが多い。そのため減価償却が終わっているような旧車では、実際の市場価値に見合う補償額が設定できないこともある。

各人の条件によって加入した方が有利か否かは変わる!

 また、車両保険に入ると保険料が跳ね上がる。無事故が続いていて保険等級が最高の20等級まで上がっているようなユーザーならまだしも、初めて任意保険に入るようなユーザー(その場合6等級からスタートだ)では、車両保険に入ることで保険料の総額がとんでもない額になってしまい、とても支払えないと感じる金額になってしまうこともある。  その場合、補償額を下げることや、免責といって自己負担額を高めに設定することで保険料を抑えることもできるが、そもそも車両保険に入る必要があるのか検討することが重要だ。  なぜなら、車両保険を利用するとたいていのケースで前述した等級が3段階程度下がってしまうからだ。20等級(63%割引)の人であれば17等級(38%割引・事故あり係数)となってしまうし、6等級(19%割引)では3等級(12%割増)になってしまう。  条件によって保険料は変わってしまうので、計算するのは難しいが、仮に車両保険を含めた任意保険料の基本額が年間20万円だったとして、前者の例であれば9.4万円から14.4万円に保険料が増えてしまうし、後者であれば16.2万円から22.4万円に増えてしまう。そして保険の等級は一年に一段階しか上がらない。一度、使ってしまうとしばらく保険料が“今より”上がった状態になってしまうのだ。  そのため状況次第では、車両保険を使わずにすべて自費で修理したほうがトータルでは得になることもある。上の条件でいえば、6等級のユーザーが車両保険を使って、その後は無事故で利用しなかったとして5年間の合計保険料を計算すると91.8万円となるが、車両保険をつかわずに自腹で修理して、保険等級を上げつづけると64.6万円で済む。その後の割引率においても後者のほうが有利なのはいうまでもない。つまり、30万円弱の費用で済むような修理であれば、自腹で直したほうがトータルでの金銭的負担は軽くなる。  ということは、車両価格自体が安く、たいした金額を設定できないような中古車に乗っているようなケースや、年齢や等級的に車両保険を使わないほうが負担を軽くできるような人であれば、そもそも車両保険に入らないほうがランニングコストを抑えることができるのだ。このあたりの計算というのはケースバイケースで複雑なので、信頼できる保険代理店の担当者などと相談してほしいが、「車両保険は絶対に入る必要はない」という人がいるのは、こうしたケースがあるからなのだ。  経験則的にいえば、初めて任意保険に加入するくらいの等級で、保険をかけることのできる車両価値が50万円未満であれば、車両保険に入らず修理を見込んで貯金しておくほうがトータルでのコストを下げられることが多いように思える。とにかく保険というのは、各人の条件によって、どちらが有利なのか変わってくるものなので、こうした考え方もあるというのは参考にして、自分のケースでどうするのにコストメリットがあるのか、しっかり判断してほしい。

山本晋也

【関連記事】