ミナ ペルホネン皆川 明さんにインタビュー。皆川さんがつくるアート作品への思いとは?
自分の手を離れた作品が誰かの傍らにあればいい
今回はそんなふうに生まれた作品を、皆川さんとつながりのある方々の元に届け、1カ月間、共に暮らしてもらうという試みを行いました。 「野村友里さんは以前からの友人。トラフ建築設計事務所の鈴野浩一さんにはミナのお店の内装を以前からやってもらっている。黒田美津子さんとは直接お会いしたことはないんですが、木工作家の小山剛君からお話を伺っていて。須長檀さんとは彼のショップ、ナチュールに遊びに行かせてもらっているというご縁があります。皆さんがどんなふうに飾ってくださっているのかを見るのが楽しみです」 皆川さん自身は、アートについてこう語ります。「視界に入る作品同士が共鳴するよう飾っています。リチャード・セラの絵画とグランドピアノの間を、上田快さんの彫刻がブリッジのようにつないでいたり。 その作品が自分の人生の風景にあったらいいな、と思ったときに買います。マーク・ロスコの絵は憧れ。でも、パブリックな場所にあったほうがいいでしょうね」 ミナ ペルホネンが30周年を迎える2025年には次なる展覧会も計画中。イデムで制作した未発表作品や、名だたる陶芸作家との共同作品も登場する予定です。 「自分の手を離れた作品が誰かの暮らしの傍らにあってほしい」という彼の思いは、これからも大きく広がっていきます。 Profile/皆川 明 みながわあきら/1995年にミナ ペルホネンの前身、ミナを設立。 手作業の図案によるテキスタイルデザインを中心に、衣服をはじめ家具や器、店舗や宿の空間ディレクションなど幅広く手掛ける。 個展にTARO NASU「Landscape 森の中へ」(2004)、ヒルサイドテラス「カタワラ」(2022)。 『モダンリビング』2024年11月号(No.277)より