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渦中の「次亜塩素酸水」 普及目指す団体に、噴霧反対の医師や科学者が“再反論“

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BuzzFeed Japan

また、東京工業大学の奈良林直特任教授は、海外の事例を紹介した。 アメリカでは、次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの感染防止対策に採用されており、同国の疾病予防管理センター(CDC)が「生物組織に無毒」だと明言しているとした。さらに、中国の国家衛生健康委員会は「物体表面、医療機器、空気、手、皮膚、粘膜などに使えると認めている」と述べた。

空間噴霧の必要性と安全性は?

次亜塩素酸水の空間噴霧の目的と安全性については、先出の福崎教授が以下のように述べた。 まず、空間噴霧は「空間における微生物を制御すること」が目的で、「物の表面に付着している菌の方が、空間に浮遊している菌よりもはるかに多い」と話したうえで、その特徴を説明した。 「浮遊している菌は、換気や新鮮な空気の入れ替えで対応できるが、もっとも大事なのは、付着菌をどうするか。付着菌は、私たちの手の触るところ、何よりも床面に非常に多いんです」 インフルエンザウイルスの不活化効果を検証した実験においては、「次亜塩素酸水の噴霧により、不活化効果を示した」などと空間噴霧の必要性を語ったが、こうも噴霧の課題を話した。 「(人がいる空間と人がいない空間で、噴霧による落下菌数を確認したところ)人がいる空間では、非常に薄い気体状の次亜塩素酸では効かない。人は汚染源ワーストワン。どんなに清浄な空間でも、そこで何人の人間が活動するかで落下菌数が大きく変わる。人が活動する場で、いかに微生物を制御するかが、私たちの一つの課題になっています」 つまり、次亜塩素酸水を「人がいる空間」で使用してもらえるよう普及を目指す会議の場で、「無人空間での噴霧は有効だが、人が空間にいる場合は落下菌に対して効果を示さなかった」という認識を共有したのだ。この記者会見場はもちろん、「人がいる空間」だった。

一方、空間噴霧の安全性については、空気中の塩素濃度に関する労働安全衛生法を根拠に、「1日8時間、週40時間、人が暴露されても、人の健康に害はないというものが、0.5ppm(=500ppb)です。この基準を超えない噴霧が必要になる」と語った。 ただし、この基準を上回る「50ppm(5万ppb)」の次亜塩素酸水(pH5.8)を2時間噴霧した実験においては、超音波噴霧器から2メートル離れた地点を測定し、もっとも数値が高かった床面でも「0.02ppm(20ppb)」だったという。

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