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感染者情報 増える非公表 北海道・札幌市は本人の同意前提

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北海道新聞

個人の保護徹底

 道や札幌市が毎日公表している新規感染者の概要について、年代や性別、症状などを「非公表」とする例が相次いでいる。道と札幌市は共に「本人の同意が得られない」ことを理由とするが、8月の新規感染者のうち、年代の非公表は3割に上った。これらの情報は感染の現状と課題を把握する上で不可欠で、専門家は「個人情報を守りつつ、感染者の特定につながらない形で主体的に公表すべきだ」と訴える。か、症状や発症日、陽性確定日、自治体内で何例目かなどが公表される。  8月に道内で公表された新規感染者353人のうち、年代を非公表としたのは101人。非公表は性別でも79人、発症日で61人、症状で44人おり、全項目で非公表とした例も約1割に当たる33人いた。  道や札幌市は新規感染者が確認されると、保健師などが本人に各項目を聞き取り、感染の経路や傾向の把握につなげている。情報の公表は、本人の同意が得られた場合にのみ行っている。  公表の有無に関し、道は「個人情報を道だけの判断で公表することは難しい」(感染症対策チーム)、札幌市も「非公表の項目が多ければ再度、電話で連絡をとり、働き掛けている」(感染症総合対策課)とするが、あくまで感染者の同意が前提となっている。  感染者情報の公表に当たっては感染症法が、個人情報の保護を徹底した上で、国や都道府県に「積極的な公表」を義務付けている。  札幌保健医療大の小林清一教授(臨床免疫学)は「特に感染者の年代や症状は公表することで、注意すべき年齢層を分析したり、自分の体調変化を気にしたりすることができる」と強調。「感染の動向を知り、予防策を取るためにも、最低限の情報公開が必要だ」と指摘する。

大阪府は対照的

 一方、全国的に感染者の数が突出している自治体の公表方法は対照的だ。  大阪府は新規感染者の年代や性別、発症日について、府の判断で全てを公表している。これまで感染者からの抗議はないといい、職業に関しても「トラック運転手」を「運送業」とするなど感染者と表現を相談し、可能な範囲で明らかにしている。府の担当者は「常に感染者の特定につながらないかを考慮し、個別に判断している」とする。  小林教授は「感染者の特定や誹謗(ひぼう)中傷につながらないことを大前提に、行政は公表の判断を感染者に委ねず、公衆予防に役立つ情報は自分たちで判断するべきだ」としている。(斉藤千絵、五十嵐俊介)

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