シングルマザーの教育費計画。大学無償化、児童手当、塾の助成も
離婚を考える人やシングルマザーの多くが悩むのが「子どもの教育費」。教育費のために離婚を我慢したり、決断に踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。 その子に適した教育を受けさせてあげたいと思うのは、親であれば自然な心情です。そのため、シングルマザーの筆者も、離婚の際には教育費についてとても悩みました。 ただし今の親世代が子どもの頃とは違い、2020年4月からは大学無償化(高等教育無償化)が始まるなど新たな制度も生まれています。漠然と不安を抱えているよりも、情報を収集して費用を計算してみることで不安が和らぎ、さまざまな選択肢を考えることができるようになるものです。 シングルマザーとなった筆者が教育費の計画を立てるにあたって調べたこと、考えたことを紹介します。
まずは大学無償化制度+児童手当で計算する
厚生労働省の「平成28年全国ひとり親世帯等調査」によると、調査時点で「現在も養育費を受けている」と回答したのは母子家庭で24.3%と、およそ4人に3人が養育費を受け取れていないという状況です。それに加え、産後の再就職や育児と仕事の両立も簡単なことではありません。 そうした状況におかれたシングルマザーは、特に高校や大学の教育費の高さに悩み、子どもが望む進学先に行かせてあげられるか心配になるでしょう。 筆者も離婚前には大きな不安に駆られ、具体的に計算をすることにしました。計算する際にまず考えたのは、受けられる公的制度です。2020年から始まった大学無償化制度では、「学費の免除と返済不要の給付型奨学金」を受けることができます。 所得基準は3区分に分かれており、ひとり親の場合、子ども1人だと「第1区分:~約210万、第2区分:~約300万、第3区分~約370万」、子ども2人(本人・高校生)になると「第1区分:~約270万、第2区分:~約360万、第3区分~約430万」。 厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、シングルマザーの平均年収は243万円なので、大学無償化制度を受けられる人もいるでしょう。他に資産が1250万円未満であることと、子どもの学習欲基準で対象となるかが判断されます。また、無償化は対象校も決まっているので確認が必要です。 免除額や支給額は、国公立大・私大・短大・高専・専門学校、自宅・自宅外によって異なります。たとえば「第2区分で私立大学の自宅」の場合、授業料は年額約70万円と入学金約26万円が免除となり、年額約46万円の給付型奨学金を受けることができます。 一般的な私立大学文系でかかる大学費用は4年間で約400万円。その全額、もしくは3分の2や3分の1を免除してもらうだけでも負担が減ります。他に大学進学で必要になる費用に仕送りがありますが、できる限り実家から通える範囲で進学してもらうのも検討事項になります。 次に考えたのは児童手当の活用。児童手当で余る部分、もしくは全額を教育費に回すとします。すると、子どもの年齢にもよりますが、「大学無償化制度+児童手当」の利用で、莫大だと思っていた教育費への印象が変わってきます。この2つを把握したうえで、教育費の手当てを計画することにしました。