「#伸晃モデルを推進しよう」がトレンド入り 一体どのような意味なの?
自民党元幹事長の石原伸晃衆院議員が、PCR検査の結果、陽性が判明し、無症状であるにもかかわらず都内の病院に即日入院したことを受けて、ネットでは「#伸晃モデルを推進しよう」のハッシュタグがトレンド入りするという出来事がありました。伸晃モデルとは一体どのような意味なのでしょうか。
石原氏は、同僚議員から検査を受けることを勧められ、PCR検査を受けたところ陽性が判明。まったくの無症状でしたが、不整脈など基礎疾患があることから、医師の助言もあって即日入院となりました。このニュースが報道されるとネット上では、発熱など重い症状があっても入院できない人がいる中、「なぜ無症状なのに入院できたのか」という疑問の声がわき上がりました。一方で、無症状の段階でPCR検査を受け、陽性が判明したらすぐに入院するというのは、新型コロナウイルスへの対処方法としてはベストであるとして、諸外国のように多くの国民がすぐに検査を受けられる態勢を構築すべきだとの意見も多く聞かれます。「#伸晃モデル」という名称には、石原氏は上級国民なのですぐに入院できたのではないかという皮肉が混じっているものの、迅速なPCR検査を実施できる仕組みを早く導入すべきだという意味が込められています。 科学の世界において、まずは対象をしっかりと観測・観察(医学の場合には検査)して、状況を判断するというのはイロハであり、それは新型コロナウイルスであっても何も変わりません。現実には、一斉に検査する態勢が構築できない、擬陽性が一定確率で発生する可能性がある、大量の感染者が見つかる可能性があるので医療態勢が追いつかなくなるなど、様々な問題があり、簡単に実施できることではありませんが、可能な限り検査態勢を拡充した方がよいというのは科学的に自明の理です。ところが日本では、検査態勢の拡充を求める専門家に対してバッシングが行われるなど、科学的・合理的な議論ができる状態ではありませんでした。この結果、海外では当たり前となっている広範囲な検査態勢はまだ確立していない状況です。 あまりにも事態が進展しないことから、国民からの不満も高まっており、とうとう菅義偉首相は26日、「必要な検査を必要な時に受けることができない、そうした態勢ができていないことについては責任者として大変申し訳なく思う」と答弁し、検査態勢が不十分であったことを認めました。 今は国家の非常事態ですから、互いに罵り合っている場合ではありません。検査ができなければ、誰が感染者なのか分かりませんから、検査態勢を拡充する努力が必要であることは間違いないでしょう。 (The Capital Tribune Japan)