「ミャオ効果」でイライラ軽減!?名医・小林弘幸が20年かけてたどりついた、もっとも簡単に自律神経を整える方法。猫で「整う」5つのポイント
◆まずゴロゴロと喉を鳴らす音 約25~50ヘルツといわれる低周波の振動が人間の副交感神経を高めてくれ、さらに心臓血管疾患リスクの低下や、血圧や呼吸のバランスもよくしてくれることがわかってきました。 また、猫を触ることでオキシトシンと呼ばれるストレス緩和や気持ちを落ち着かせてくれる効果があるホルモンが分泌されます。じつは、このオキシトシンの分泌量は、犬よりも猫を触るほうが多くなるといわれています。 さらに、最近では猫の動画を観ることで、悲しみやイライラ、不安などのネガティブな感情が軽減される「ミャオ効果」という幸福感を高めてくれる現象が起こることもわかってきました。 ここで紹介するメソッドの一部は、これらのわかってきた医学的効果を踏まえて、「なぜ猫を見るだけで、私たちはこんなにも整うのか?」ということをヒントに企画されたものです。 そして、長年の研究成果や最新の知見をもとに、数多くの猫の写真のなかから、「自律神経によい刺激を与えてくれるかどうか」という視点で、次の5つのポイントを軸に選びました。
◆自律神経に良い刺激を与えてくれる「5つのポイント」とは? 〈ポイント1・かわいらしい〉人が猫をかわいいと感じる理由に、「体に比べて頭が大きい」「輪郭が丸みを帯びている」といった「ベビースキーマ」と呼ばれる身体的特徴があります。 猫は、ただ見ているだけで幸せを感じられる動物で、猫の写真を見ることで心が癒され、自律神経が整います。 〈ポイント2・クスッと笑える〉笑うことは自律神経のバランスを整えるのに非常に効果的です。笑うことで副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの分泌が減少し、リラックス効果が得られます。また、笑うと「NK細胞」が活性化されるため、免疫力が向上し、健康にもいい影響を与えます。 〈ポイント3・自然の景色に癒される〉森林や花の写真を見るだけで、副交感神経が活性化し、脳の活動が鎮静化することが研究で示されています。 自然の景色によるリラックス効果と、猫の写真による癒しの相乗効果で、日中の活動で優位になった交感神経が落ち着き、自律神経が整います。 〈ポイント4・猫の表情によるリラックス効果〉猫はクールなイメージですが、じつは友好的な表情のほうが多いという研究があります。 とくに耳とひげが前に向いていたり、目を閉じたりしているものは、相手を信頼していることを意味します。友好的な表情の猫の写真で、リラックス効果を得ることができます。 〈ポイント5・寝つきがよくなる〉相手の動作を見たときに、脳のなかで相手の動作を自動的に真似る「ミラーニューロン効果」というものがあります。 この効果により、寝ている猫の写真を眺めることで自分も眠気を感じ、寝つきがよくなります。不眠治療にも活用されている効果的な方法です。 ※本稿は『にゃんこと整える。』(アスコム)の一部を再編集したものです。
小林弘幸
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