4児の母・加藤夏希が悩んだ産後の“落ち込み” 「出産を経験し、疎遠に感じていた父の気持ちがわかった」
私が小学校6年生で仕事を始めたとき、母は私に付き添って上京し、父は秋田に残りました。思春期のころ、一緒に住んでいた母とはかなりぶつかりましたが、父とは電話やメールのやり取りだけ。「あまりお母さんを困らせないでね」と言われても「離れて住んでいるお父さんに、私の気持ちなんてわかるわけない」と反発しました。 でも長女を出産後、一日中家にこもって赤ちゃんのお世話をしているときに父と電話で話をしたら、定年後の毎日をどう過ごせばいいか分からず戸惑っている父の気持ちが、すごく理解できたんですよね。それまでの日常がピタッと終わり、日々の生活が一変するという点は、定年も出産も同じ。その後、私はしばらく落ち込みから抜け出せずにいましたが、父は私の勧めでゴルフを始めて、あっという間にハマりました。家の庭にバンカーまで作ったんですよ(笑)。趣味や生きがいを持つことで人はこんなに前向きになれるんだと、父の姿を見て感じました。 ――加藤さんにも、前向きな気持ちになるきっかけはありましたか? 産後半年ころ、仕事が徐々に入り始めてからは、かなり気持ちが切り替わりました。普段は母乳育児でお肌ガサガサでも、仕事の日はメイクをして気分が変わりますし、何よりたくさんの人と話をして外の世界に触れたことが大きかったと思います。 仕事が育児にもプラスの影響を与えることは、今も変わっていません。仕事をした後は気持ちがリセットされて、新たな気持ちで育児に向き合えるし、子どもに対しても「お互い、今日も1日頑張ったね!」という共感のような感情が湧きます。 ■「家族でゲーム」は“おままごと”と同じ感覚 ――ところで、加藤さんは昔からゲームがお好きで、ご主人ともオンラインゲームがきっかけで結婚されたとお聞きしました。 もともと顔見知りではあったんですが、より仲良くなったきっかけは、ゲームです。数名でチームを組んで敵を倒すロールプレイングゲームで、私は「僧侶」、夫は「武闘家」としてプレイしていました。ピンチのときに守ってもらったり、戦いで負傷した夫を私が呪文で回復してあげたり、ゲーム中の設定とは言え、なんかキュンキュンしましたね(笑)。