成田空港 2年4カ月ぶりホノルル線の定期便が再開 出国回復へ兆し
新型コロナの水際対策をめぐり、新規入国者数上限の引き上げなどの対策緩和や訪日外国人観光が解禁となってからおよそ1カ月。海外旅行を目的とした日本からの出国も回復の兆しが見え始めた。成田空港で1日夜、全日本空輸(ANA)が約2年4カ月ぶりに、ウミガメが描かれた米ハワイホノルル線専用の超大型機エアバスA380「フライングホヌ」の定期便を本格再開。乗客らがハワイの青い海を目指し、空の旅に出発した。
520人乗りの同機に414人が搭乗。出発前の式典では、同社スタッフによる「成田スカイバンド」の演奏やフラダンスで祝った。井上慎一社長は「この日を社員一同、心待ちにしてきた。この日を旅行需要が戻るきっかけにしたい」と感謝。成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は「成田空港で最も話題になる機体。再びホノルルへ飛び立つのは非常に喜ばしい」と歓迎した。 フォトウエディングと新婚旅行で搭乗する愛媛県の田中光弘さん(28)と桜子さん(27)夫妻は、帰国時の検査免除などをきっかけに渡航を決心。「一生に一度のことなので、可能な時に行けるよう貯金を頑張った。きれいな海やダイヤモンドヘッドが楽しみ」と笑顔で旅立った。
ANAによると、7月から3機あるうちの1、2号機を週2往復飛ばし、8月までの予約率は8割に達した。羽田を含めた7月のホノルル線は前年同期比6倍の搭乗者を見込む。3号機就航と増便について井上社長は取材に「感染状況に需要が左右されるので軽々に判断できないが、利用者が増えれば行う」とした。 同機は新型コロナ感染拡大の影響で、導入約10カ月後の2020年3月を最後に運休し、周遊フライトに移行。成田-ホノルル線の運航も昨年8月に2往復運航して以来なかった。