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控えの主将が決勝打。大阪桐蔭・西谷監督が「一生忘れないゲーム」/2020甲子園交流試合リポートVol.15

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週刊ベースボールONLINE

新型コロナウイルス感染拡大のため中止となった今年3月のセンバツ出場32校の「救済措置」として甲子園で開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」。今夏は地方大会と全国(甲子園)も中止となった。特別な思いを胸に秘めて、あこがれの舞台に立つ球児や関係者たちの姿を追う。

「気持ち」で運んだ一打

 勝ったチームが涙を流した。  大阪桐蔭高の主将・薮井駿之裕(3年)である。東海大相模高との交流試合。同点の8回裏一死二、三塁から内角真っすぐを詰まりながらも左前へ落とした。決勝2点タイムリーはまさしく「気持ち」で運んだ一打。控えのキャプテンが途中出場で大仕事をした。 「苦しい思いをしてきたが、これで終わるのが、寂しい気持ちも入り混じっている」  大阪桐蔭高は4対2で勝利。試合後、背番号14は目頭を押さえた。  昨秋の新チーム発足時、選手間の投票で主将に決まった。有友茂史部長は明かす。「旧チームからレギュラーで出場している選手が多かったですが、引っ張るタイプがいなく、そこが課題でした」。とはいえ、薮井は強いリーダーシップがあるほうではなかった。  しかし、西谷浩一監督が最も追い求めていた「粘り」を兼ね備えていた。どちらかと言えば不器用なタイプだが、とにかく前へ出て、率先して声を出した。つまり、泥臭く、コツコツと積み重ねる努力家なのである。  新型コロナウイルスの感染拡大により、春のセンバツ、夏の全国大会(甲子園)と地方大会が中止。心が折れかけた時期もあったが、薮井は背中で姿勢を見せ続けた。 「1年間、負け続けてきて、去年の3年生の分まで甲子園に出ようと言ってきたのですが……。最後は甲子園でこういう結果で終われて良かった」  今回の交流試合は1試合限定。大阪桐蔭高は本来であれば、「東西横綱対決」と言われたこの初戦を取って、勢いに乗っていただろう。理想的な展開で勝ち上がっただけに、西谷監督も「今日で終わるのが寂しく思います」としみじみと語った。

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