新しい地図、SMAP時代から続くゆずとの絆 共通する日本を勇気づけるエンターテイナーとしての力
稲垣吾郎が仮想レコードショップの“店長”となってMCを務めるラジオ『THE TRAD』(TOKYO FM)。7月30日放送回にはゲストとしてゆずの北川悠仁・岩沢厚治が登場し、稲垣の印象について語った。 【写真】香取慎吾、25周年迎える『ほん怖』に初出演 前回ゲストとして出演した際、北川はワインセラーの購入を検討しており、ワイン通の稲垣に相談したことを振り返る。すると稲垣は「(オススメを聞かれて)ちゃんと『このメーカーのこういうものがいい』って後日伝えようとしていたのに、お会いできないから『どうなったんだろうワインセラー』って!」とずっと気にかけていたと明かしたのだった。 ちゃんと伝えられなかったとはいえ、番組内のトークでも稲垣の口からいくつか候補は挙がっていたという北川。その情報をもとにワインセラーを購入したそう。「めちゃくちゃいいです!」と満足気に話す北川に「よかったですー!」「ホッとした!」と思わず稲垣の声も弾んでいた。 対して、岩沢は稲垣との思い出といえば、かつて番組で「虹」を一緒に歌った際に「歌の指導をできなかった」ことだと語る。これには稲垣も「スマスマ(『SMAP×SMAP』)?」と即座に反応。「そう。Aメロをさ、吾郎さん担当されて。あれ、難しいじゃん? 早口のところあるんで」と続ける岩沢に「難しいよー」「(『どうやってやるんですか?』って)聞いた」と稲垣の記憶も鮮明のようだ。そんな稲垣からの質問に岩沢は「全然答えられなかった」と悔しさをにじませ、笑いを誘うのだった。 稲垣とゆずはこれまでSMAPとして、さらに新しい地図となって以降も何度も共演してきた仲ではあるものの、「お会いできないから」と言っていたように、常に顔を合わせるという間柄ではない。今回のゲスト出演も実に2年ぶりの再会となった。しかし、彼らが揃った時には不思議と離れていた時間を感じさせない安心感が漂う。 岩沢が語った「虹」を歌った共演も、2015年10月12日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)のことだ。もう10年近くも前のことだとあらためて驚かされる。その日、コラボステージを披露した後、SMAP5人とのトークコーナーがあり、中居正広が「珍しいですよ、SMAPがしゃべるの」と話していた。 5人全員と気兼ねなく話せるゆずの存在感について、稲垣も「僕らにとってのユースケ(・サンタマリア)さんみたいな感じ。(笑福亭)鶴瓶さんとか、関根(勤)さんとか」と続けていたのが印象的だった。 この時稲垣が名前を挙げた人たちを思い返してみると、いずれも子どもから大人まで幅広く愛されるキャラクターであることに気づく。その理由は歌や落語、お笑いと、それぞれの道で確かな人気を誇りながらも、どこかそこの枠に収まらない柔軟さがあるからではないだろうか。いわば求められる声に応えながら笑顔を届けていくことにプライドを持って取り組む人たち。そんな“THE エンターテイナー”というスタイルが、ゆず、そしてSMAPとも共通している気がした。 特にそうしたスタンスを強く感じられるのが、ゆずのライブ演出だ。抜群の歌唱力で観客に聴かせるだけでなく、一緒に踊れる曲にも定評がある。そんなダンス曲はラッキィ池田を筆頭に、TAKAHIRO、MIKIKOなどの振付師が担当して、老若男女が楽しめることをテーマに振りを考えられてきたという。 「ライブで一緒に踊るってすごく盛り上がるんですよね」と、どこまでも楽しませようとするゆずの心意気を感じられる話に、稲垣が「僕らも一緒に振り付けでやらせてもらったこともありますけど」と思い出したのは、2018年4月1日の生ライブのこと。 稲垣が、草彅剛、香取慎吾と共にスタートさせたレギュラー番組『7.2新しい別の窓』(ABEMA/通称『ななにー』)の初回、しかもオープニングというタイミングだった。新しい地図を広げたばかりで、先の見えない不安な状況が続いていたなか、ゆずとともにタンバリンを片手に「タッタ」を歌い踊った姿が多くのNAKAMAを勇気づけた。 実はこの演出、稲垣が言うのは「急にリハーサル中に『ちょっといいですか?』『踊っていいですか?』って」と、リハーサルで急遽決まったことだったそう。ゆずの2人も「すみません、突然に」とあらためて謝ってみせるが、急に巻き込んでいくことができるゆずも、そしてそのノリに応えることができる3人も、やはりさすがである。