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強豪校で丸刈り断固拒否 レスリング界の“異端児”高谷惣亮が部活に求める「多様性」

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THE ANSWER

押しつける指導に「違和感」、頭を使い続けてきた31歳が説く「考える力」の重要性

 3大会連続の五輪出場を目指すレスリング男子フリースタイル86キロ級・高谷惣亮(そうすけ・ALSOK)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、「考える力」の大切さについて語った。世界選手権で銀メダルを獲得し、全日本選手権は9連覇中の31歳。中学、高校時代は指導者に丸刈りを求められても拒み続けてきたほど、我の強い男だ。部活と髪形の関係、モチベーションを生み出す「理に適った」思考に迫る。  ◇ ◇ ◇  なぜ、この練習をするの?  なぜ、これを食べるの?  なぜ、髪を切らなきゃいけないの?  高谷はいつも疑問を胸に抱えていた。幼い頃から空手に打ち込んでいた少年は、やがてレスリングを始める。中学3年で全国制覇を果たすと、京都の強豪・網野高へ進んだ。五輪金メダルの夢を抱き、食いしばって汗を流した青春時代。当時から良くも悪くも目立つ選手だった。 「高校生の時の練習で、指導者が『お前はこれをしたらいいんだ』と言ったことに対して、周りの子たちがひたすら従って練習していることに違和感がありました。『本当にそれがいいのかな』という疑問が毎回あって、それを先生に言うとちょっと怒られて。怒られたら僕もちょっと怒っちゃって(笑)」  理に適っていない、納得がいかないと思えば、相手が大人だろうと言葉をぶつけて自己主張した。31歳となった今でも「異端児」と表現されることがある。大会で優勝すれば、カメラに向かってパフォーマンス。ブレイク中のお笑い芸人のモノマネをするなど、ファンやメディアを盛り上げてきた。体育会気質のある世界。自身の行動に賛否があることも知っている。  それでも、「こう言うとあれなんですけど」と少し恐縮しながら、今のレスリング界について口を開いた。 「レスリングは他の競技と比べても少し遅いんですよね。トレーニング、メンタル、練習内容にしても。いわゆる根性論が先行している競技だと思う。『いや、そこに流されてはいけないよ』って。自分の意思で考えて、自分にとって有益なものをしっかりと取り入れて判断していく能力は凄く大事だと思います」  日本のお家芸とされたレスリング。1964年の東京五輪では金メダル5個を獲得した。背景にあるのは「八田イズム」と呼ばれた指導。日本レスリング協会の第3代会長を務めた故・八田一朗氏が作り上げたものだ。理に適ったものとして受け継がれていたが、「ライオンとにらめっこ」「夢の中でも勝て」などのフレーズは今の時代では奇想天外にも思える内容だった。  古くから残る「根性論」「スパルタ」などの指導法を真っ向から否定することはできない。ただ、高谷は「自分で考える」ことを大切にしているのだ。ロンドン五輪、リオ五輪に出場し、全日本選手権は74キロ級と現在の86キロ級を合わせて9連覇中。「自分が勝ち続け、成功し続けていくためには何が必要なのかを考えた時に、自分で疑問を持って考えていくことが大事」。今でも持ち続けている視点が、輝かしい実績の支えとなってきた。

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