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繰り返される黒人への暴力 「思いやり」「融和」…歴代指導者が掲げた理想と現実

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 米中西部ミネソタ州での白人警察官による黒人男性暴行死事件に端を発する抗議デモ。一部が暴徒化し略奪行為も相次いだことにトランプ大統領は軍部隊による制圧も辞さない構えを示した。連邦軍の国内出動となれば1992年の「ロサンゼルス暴動」以来という異例の事態だが、このロス暴動もまた白人警官による黒人男性への暴行が発端だった。警官による黒人殺害は国民の融和を訴えたオバマ前大統領時代にも相次ぎ、抗議運動と合わせて米国内の人種対立の根深さを顕在化させるものだ。繰り返される暴力の歴史を振り返る。 (構成、共同通信=松森好巨)  ▽法と秩序  米国史上最悪の暴動といわれるロス暴動は、1991年3月に黒人男性を殴打したとして暴行罪に問われた白人警官ら4人の裁判で翌92年4月、ほぼ全面無罪の評決が出されたことに黒人らが猛反発したことから巻き起こった。  警察やコリアンタウンなどが狙われ、ロサンゼルス市は非常事態を宣言、州兵のほか連邦軍なども出動。50人以上が死亡、2千人以上が負傷した。

 当時の大統領・故ジョージ・ブッシュ氏は大規模暴動後に発表した声明で「法手続きを尊重することが重要である」などと市民に対し法の遵守を呼び掛ける一方、その「法と秩序」を維持するため地元州知事の要請を受ける形で連邦軍に対し待機出動命令を出した。  こうした強硬姿勢により事態は沈静化していったが、暴動直後の世論調査でブッシュ氏の支持率は急落。結局、この年の11月に行われた大統領選で民主党のビル・クリントン氏に敗北した。主な敗因は公約を破って増税に踏み切ったことなどとされている。ただ、「より優しく、思いやりのある社会」をスローガンに掲げ大統領に就任したブッシュ氏にとって、その理想とかけ離れたロス暴動がもたらした影響は小さくなかっただろう。  指導者が掲げる理想と米国社会における現実との乖離(かいり)は、09年に米国史上初の黒人大統領となったオバマ氏が直面した問題でもあった。就任当初から国民の融和を呼び掛け熱狂的な支持を集めたものの、根深い人種対立の根は残り、米国民の怒りが表面化した事件が続発した。

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