ノーモア“マー君”!肘故障撲滅にMLBがWEBサイトを立ち上げ
メジャーリーグでは、近年、大物投手が次々とトミー・ジョン手術に踏み切っている。日本人選手も大塚晶則、松坂大輔、田沢純一、藤川球児、和田毅らが肘にメスを入れた。10代の頃の登板過多が影響しているという説もあれば、フォークやスプリットフィンガーなど肘に負担がかかる球種を多投している場合もある。中4日の過酷な日程で十分な回復期間が与えられていないという説もある。 サイヤング賞獲得のペースで好投を続けていたヤンキースの田中将大投手も、夏場に右肘の靭帯を損傷。複数の医師の診断の結果、手術ではなく、リハビリしながらの温存方法でシーズン終盤に復帰し、来季は開幕からローテーションを守ることを期待されているが、だからといって、絶対に大丈夫という保証はない。 肘にメスを入れたら、1年以上のリハビリ期間が必要で限りある現役生活の中では大きなブランクとなるのは事実だし、選手によっては選手生命を縮めるリスクにもなる。将来プロに入ってからの、肘の故障を減らすために大事なことは、まずユース時代の育成段階からの啓蒙だとアクションを起こした大リーグ。 「今回のプロジェクトは、今日明日にすぐ効果が出ることではない。今10歳の少年が、10年後20歳になってプロになった時にどうなのか。そういう意味では長期的な視野に立って、その効果に期待している」と、マリナック氏。大リーグの持つスポーツ医学の最先端が検証するガイドラインが、草の根からの意識付けに役立つことを期待している。