Travis Japan、2作連続首位獲得 アルバム『VIIsual』は多彩なジャンルを散りばめたグローバル志向の1枚に
<CD Chart Focus> 参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2024-12-16/ 【写真】Travis Japan 松田元太&松倉海斗、バラエティでも大活躍 2024年12月16日付(12月10日発表)のオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得したのは、Travis Japanの『VIIsual』。推定売上枚数は約14.1万枚です。さらに、オリコン週間デジタルアルバムランキングとBillboard JAPANの総合アルバムチャート「Hot Albums」でも首位を獲得しており、まさに今週の“顔”と言えるアルバムです。 Travis Japanは、メンバー全員での海外留学を経て、2022年にグローバルメジャーデビューを果たした7人組グループ。『VIIsual』は彼らの2ndアルバムで、グローバル向けの全曲英語バージョンである『VIIsual -Global Edition-』も制作されています。 『VIIsual』の冒頭を飾る「Crazy Crazy」は、サーフミュージックそのもので驚きました。全編でサーフギターが響きながらもヒップホップの要素もあり、サビで一気に開放感を生み出すというのも、目から鱗が落ちるような構成です。それでいながら、終盤ではホーンセクションが前面に出るなど、一本調子にならない工夫も冴えています。続く「Golden Girl」は、モータウンの70年代ソウルを連想させるナンバーにして、サウンドはフューチャーソウルも連想させるもの。「Sweetest Tune」では、ビートとホーンセクションとストリングスが、メンバーのまさにスウィートな歌声を引きだしていきます。 「Fly Higher」では、EDMのビルドアップに近いサウンドが鳴るパートも。この「Fly Higher」にはシンガロングの要素もあり、壮大さを生み出しています。かと思うと、「BO$$Y」では一転してヒップホップに傾斜するのも面白いところ。揺れる音像で幕を開ける「Rush」はフューチャーハウスで、オートチューンの施されたメンバーの繊細なボーカルも魅惑的。「Whiskey and Tonic」は小粋なR&Bナンバーです。 ディスコナンバーの「T.G.I. Friday Night」は、ファンキーにしてタイトさもあるリズムが今っぽさを感じさせます。「HBD」は、誕生日を祝うソウルナンバー。「Fireflies」は、R&Bをサンプリングしたかのようなラップナンバーで、「Thrill」ではさらにヒップホップに接近します。「Staying with you」は一転してゴスペルを彷彿とさせるナンバーで、こういう曲調にもラップを入れる手腕にうなりました。アルバムの最後を飾る「Underdogs」は、シンガロングの響く爽快なロックナンバー。そう、ストレートなロックが最後の最後に出てくるのです。 Travis Japanの『VIIsual』は、ブラックミュージックやダンスミュージックの過去から現在までを巧みに配し、そのサウンドは情報量が多くカロリーが高いのも特徴。グローバルを意識していることを強く感じさせるアルバムです。
宗像明将